2020年(令和2年) 2月11日(火)付紙面より
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昨年6月の本県沖地震で酒蔵などが被災した鶴岡市大山地区で8日、「第25回大山新酒・酒蔵まつり」が行われた。応援消費や復旧の多くの支援を受けた4酒蔵は、感謝を込めて仕込んだ新酒で歓迎。県内外から訪れた日本酒ファン3300人超を喜ばせた。
酒どころ大山のPRとともに地酒の消費拡大、地域振興や交流人口の増加につなげようと、地元を中心とした実行委員会が1996年から行っている人気イベント。今年で25回目。
天候に恵まれたこの日正午近くになると、街中にはしっかりと着込んだ酒蔵巡りの客たちが大勢繰り出した。羽根田酒造(白梅)、渡會本店(出羽ノ雪)、冨士酒造(栄光冨士)、加藤嘉八郎酒造(大山)の4つの酒蔵の前には入場待ちで長蛇の列をつくったが、購入したばかりの酒瓶をその場で知り合った客同士で勧め合うなど終始陽気。酒蔵内では順路の右から左から次々つがれる自慢の逸品を堪能した。
友人たちを連れて来た庄内町の50代女性は「毎年来ている。お酒との出合いもあるし、並んでいても交流が楽しめるのが魅力。地震があったのに今年も変わらず開催してもらって良かった。1軒目だからまだまだ頑張ります」と張り切っていた。
いずれも酒造りに影響のないところまで復旧したというが、外壁など建物全体の3割ほどが未補修のところもある。各酒造の代表や担当者は支援への感謝を口にし、「おかげで例年並みの酒造りができた」(白梅)、「冬は2週間ほど早く仕込み始め、順調」(出羽ノ雪)、「例年以上に力を込めた自信作ができた」(栄光冨士)、「今年もいい酒ができた。4蔵欠けずに今日を迎えられて良かった」(大山)とそれぞれ話していた。