2020年(令和2年) 7月10日(金)付紙面より
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2020年甲子園高校野球交流試合(8月10?17日)のオンラインによる組み合わせ抽選が8日行われ、鶴岡東は16日(大会第5日)の第3試合で日本航空石川と対戦することが決まった。勝っても負けても1試合だけの甲子園経験になるが、チームは気持ちを一心させ、大会に向かうことを誓った。
鶴岡市高坂の練習グラウンド。バックネット裏の同部室内施設でパソコンを見ながらZoom(ウェブ会議システム)の抽選会に臨んだ鈴木喬主将は相手が決まってホッとした面持ち。「甲子園で試合できることに感謝したい。自分たちがしてきたことを出し切り、精いっぱいのプレーをしたい」と力強く話した。
相手校に関しては「投打のバランスが取れたチームという感じ。石川は強い地域という印象があるので全力で臨みたい」と気持ちを引き締めた。
41年ぶり2回目のセンバツ出場を決めながら、新型コロナウイルスの感染拡大のためセンバツは中止に。気持ちを切り替えた夏の甲子園も中止になった。張り詰めたものが何度も切れかけたが、35人の3年生部員は昨秋から離脱もなく、エース右腕・太田陽都(3年)らも順調な歩みを見せている。先月の週末は県外の強豪校との練習試合を重ね、強化に努めた。
佐藤俊監督(48)は1試合限りの甲子園の試合に「確かにトーナメント戦と違って気持ちの持っていき方は難しいが、準備をしっかりして臨ませたい。甲子園で試合ができる喜びを持ち、はつらつと全力プレーができるようチームをつくっていきたい」と話した。
夏の甲子園の代替大会(県高校野球大会2020)も日曜日(12日)に初戦(対鶴岡中央)を迎える。これを突破すれば、県大会さらに優勝校だけが出場できる東北大会が待っている。昨秋の県王者が、いよいよ復活舞台を迎える。
2020年(令和2年) 7月10日(金)付紙面より
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鶴岡市立荘内病院(鈴木聡院長)と国立がん研究センター東病院(千葉県柏市、大津敦院長)は8日、がん医療に関する連携協定を締結した。早ければ11月にも荘内病院に東病院の専門医による「がん相談外来」が開設されるほか、インターネットのオンラインを活用した遠隔診療についても共同で可能性を探り、世界のがん医療開発拠点を目指す国がん東病院と地方の医療機関との連携を見据えた「鶴岡モデル」の構築にも取り組む。国がん東病院が遠隔地の医療機関と連携協定を結ぶのは今回が初めて。
地方創生に伴う国の機関の地方移転の一環で2016年度、鶴岡市覚岸寺の市先端研究産業支援センター内に、国立がん研究センター鶴岡連携拠点「がんメタボロミクス研究室」が開設されたことが縁となり、両病院の連携がまとまった。
がん相談外来は月1回程度、国がん東病院の専門医1人を荘内病院に迎えて開設する。8月から準備を進め11月からスタートする予定。併せてオンラインシステムの整備を進め、遠隔診療プロジェクトの実証研究を検討。医療・看護職の人的交流も視野に入れる。
国がん東病院は、国内トップレベルのがん診療・研究機能を有する。荘内病院としては今回の連携協定によって、▽新規治療薬の治験を含め、希少がんなど難治がん患者が専門性の高いがん治療を受けることができる▽がん相談外来と沿革診療システムによるセカンドオピニオン―などを期待する。一方、国がん東病院は、最新のがん医療を国内に広く普及させることを目指しており、将来的な遠隔診療を視野に入れた「鶴岡モデル」の構築を図り、このモデルの展開を探る。
連携協定の締結式は8日、荘内病院で行われ、両病院の関係者らが出席。荘内病院の鈴木院長と国がん東病院の大津院長が協定書に署名した。鈴木院長は「荘内病院を含む地域医療発展への起爆剤になる。地方都市の患者が先端医療を享受できるよう遠隔治療のシステム構築に一緒に取り組みたい」、大津院長は「荘内病院のニーズへの対応を考えながら、この地域のがん治療に少しでも貢献できるようにしたい。このモデルを成功させることが、国内の遠隔地と連携を深める鍵になる」とそれぞれ述べた。