2020年(令和2年) 7月14日(火)付紙面より
ツイート
先人が残したクロマツ林を「地域の宝」と捉えて後世に引き継ぐ「庄内海岸林保全プロジェクト」の第1弾「海岸林整備活動」が11日、酒田市浜中の砂防林で行われ、あいにくの雨降りの中、参加者たちが下草刈り、つる切りに精を出した。
プロジェクトは、「地域の宝」を健全な形で未来に託そうと、いずれも同市の酒田ロータリークラブ(RC、押切幸子会長)と庄内海岸のクロマツ林をたたえる会(高橋寿昭理事長)が全3回シリーズで企画した。
今回作業を行った砂防林は、個人所有のクロマツ林をさまざまな主体が借り受け、森づくり活動を行っている「森林ボランティアオーナー区画」。しばらく手付かずになっていたが、2018年10月に鳥海山・飛島ジオパークのジオガイドが市、北庄内森林組合の協力で下草刈りを実施。その後、ジオガイド、東北公益文科大や山形大農学部の学生、たたえる会の会員らが継続している。
この日は酒田RCとたたえる会の会員、ジオガイドら計約30人が参加。雨降りの中、約1時間にわたってかまを手にクロマツの周囲に茂った草や細い雑木を刈った。押切会長は「先人の思いを引き継ぐため、これまで多くの団体や学校などが整備活動に汗を流してきた。RCは地域奉仕のための組織。これからも皆さんのためになることを続けたい」と話した。次回の活動は今年12月で、恒例となっている「クロマツシンポジウム」を開催。来年2月にはクロマツの苗木を植樹する予定。