2020年(令和2年) 7月19日(日)付紙面より
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鶴岡市の温海町森林組合(五十嵐正直代表理事組合長)は、地域産材「庄内あつみ杉」を使った新型コロナウイルス感染症対策グッズとして、足踏み式で消毒液を出せる「ステップシャワースタンド」と、カウンターなどに置いて飛沫(ひまつ)感染を防ぐついたて「木づかいパネル」の2種を製品化、販売している。
新型コロナの影響で全国的に住宅着工数が落ち込み、同組合でも特に集成材の原料出荷にその影響が出始めてきたことなどを踏まえ、対策グッズの製品化で活用を図ろうと、試作を重ねた。いずれも組合が誇る庄内あつみ杉(一部は間伐材)を使った。
ステップシャワースタンドは、プッシュ式の手指消毒液ボトルを、手を触れずに操作できる。高さ約75センチの台に消毒液をマジックバンドで固定し、足元の板を踏むと、ピアノ線でつながったボトル上部の部材が下がり、プッシュする。踏み板は面積が広いため、かかとを床に付けたまま、高齢者でも安全に踏めるという。価格は1台1万9800円(税込み、以下同)。
木づかいパネルは、無色透明なアクリル板と、あつみ杉の台座を組み合わせた。対面して接客するカウンターやテーブルなどに設置することを想定している。あつみ杉はぬくもりがあり、アクリル板は丈夫で掃除も楽なのが特長。S(横、縦各60センチ、価格1万1000円)、M(横90センチ、縦60センチ、1万2100円)、L(横90センチ、縦75センチ、1万3200円)の3種類がある。
鈴木伸之助代表理事専務は「木材は、二酸化炭素排出抑制にも貢献する地域資源。対策グッズで皆さんの健康とともに、温暖化から地球も守って」と話している。問い合わせは同組合=電0235(43)2313、ファクス同(43)2317、電子メールatsumisk@amber.plala.or.jp=へ。
同組合は組合員数1552人。年間2万2000立方メートル(間伐約1万3000立方メートル、皆伐約1万立方メートル)を切り出す県内屈指の森林組合。かつては山に捨てていた端材も木質バイオマスにするなど、約9割を活用。皆伐後の林地はなるべく再造林して資源を次代につなぐとともに、一部は伝統の焼き畑で赤カブを栽培するなど、多面的に森林づくりを進めている。