2020年(令和2年) 7月19日(日)付紙面より
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鶴岡市小波渡で、小堅地区自治振興会(本間仁一会長)が空き家を改修して移住者向けシェアハウスを整備し、24(金)、25(土)の2日間、内覧会を兼ねたオープンイベントを開く。地区内の若者たちが地区の活性化を狙いに中心的に動き、市地域まちづくり未来事業の助成を受けて整備したもので、地区の活性化に新たな風を呼び込むと期待されている。
海岸部に位置する小堅地区には小波渡、堅苔沢の2つの自治会があり、合わせて約350世帯、約700人が居住。高齢化とともに、市街地に移り住む人も多く、過疎化の傾向にある。そうした中で、東北公益文科大の鎌田剛准教授が数年前、小波渡の空き家を取得し、学生のフィールドワークの拠点として使い始めた。地区の若者たちと交流する中で、この空き家を移住者向けシェアハウスとして活用する案が浮上。昨夏ごろから自治振興会を巻き込み、実現に向けて準備を進めた。
空き家は海抜15メートルほどの立地で、木造2階建て延べ床面積164平方メートル。自治振興会が鎌田さんから無償貸与を受ける契約を結び、19年度に市地域まちづくり未来事業の助成約730万円を受けて改修した。
2階には居室3室(1室8―10畳)と共用のシャワー室、トイレ、ランドリー、1階は居住者の共用、地域住民との交流スペースとしてキッチンやカウンター、浴室、トイレなどを備えた。1、2階とも海を見渡せるオーシャンビューで、海に沈む夕日の眺めは最高という。WiFi完備。家賃は光熱費込みで月2万8000―3万3000円(ほかに共益費2000円)。
居住は女性限定で、これまで3室のうち1室は既に利用者が決定。移住を基本とするが、空きがあれば1カ月単位での利用にも応じる。1階は若者の集会や子どもの遊び・勉強、料理教室などにも使う予定で、居住者には「生活の10%の時間は地域活動に充てて」と任意で協力をお願いする。
地区内の若者たちでつくる自治振興会未来創造部の中心メンバーの佐藤潤一さん(38)=団体職員=は「関係人口を増やし、最終的には定住者を増やしたい。ここには自然や豊かな人間関係など他にはない魅力があり、ハウスを拠点に、ここに住む価値を高めたい」、自治振興会の小林隆広事務局長(64)は「若い人たちが自分たちで何とかしなければと動いているのがうれしい。よそから人が来ることで、新しい風が吹くことに期待」と話している。
内覧は24、25の両日とも午前10時から午後4時まで。地域住民のほか、移住に関心を持つ人も受け付ける。問い合わせは小堅地区自治振興会=電0235(73)2243=へ。