2020年(令和2年) 7月24日(金)付紙面より
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鶴岡市鼠ケ関の旧鼠ケ関海水浴場で22日、地元の小学生たちが地引き網に挑戦し、「いちに、いちに」と大きな掛け声で網を引き、捕れた魚介類を観察した。
鼠ケ関地域協議会「蓬莱塾」(会長・五十嵐伊都夫鼠ケ関自治会長)が地元の漁師の協力で4年前から、子どもたちに地元の自然環境に関心を持ってもらおうと実施。今回は「地引き網で魚(ウオ)ッチング」と銘打ち、初めて魚介類の観察を前面に出して実施した。
参加したのは、ねずがせき放課後子ども教室に通う小学1―6年の25人。放課後に鼠ケ関小学校で、蓬莱塾メンバーの冨樫繁朋さん(41)から地引き網の仕組みなどの話を聞き、捕れるものについて「カニ」「エビ」「サザエ」「ごみ」など予想。旧海水浴場に移動した後二手に分かれ、漁師が仕掛けていた網を引っ張った。
子どもたちは「いちに、いちに」と掛け声で息を合わせ、ゆっくりと網を引いた。次第に網が近づくと、掛け声は大きくなった。網の獲物をビニールプールに入れると、カニやアジ、タナゴなどが動き回り、子どもたちは「おーっ」と歓声を上げた。また、獲物を手づかみにし、漁師から「カニの雄と雌の違いはふんどしの形と大きさで見分ける」などの話を聞いた。ごみは網に掛からなかった。
鼠ケ関小3年の五十嵐魅麓君(8)は「網は最初は軽かったが、近づくとだんだん重くなった。カニは動きが速く、捕まえるのが大変だった。はさみがあんなに大きいとは思わなかった」と話した。
2015年に首都圏からUターンし、地域活動に積極的に取り組んでいるという冨樫さんは「今日の獲物はそれほど多くなかったが、海の豊かさの一端に触れたのでは。今後も地域の人たちと連携し、さまざまな体験メニューに取り組みたい」と話した。