2020年(令和2年) 7月29日(水)付紙面より
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鶴岡市の温海温泉自治会の防災研修会が26日、同温泉林業センターで開かれ、市が本年度からスタートした地域防災アドバイザーによる「防災サポート出前講座」が行われ、地域の防災マップ作成などについて参加者が理解を深めた。
市地域防災アドバイザーは、県の防災士養成研修や、自主防災組織のリーダーを育成する市の講習会修了者などを対象に、市防災安全課が協力を呼び掛け、登録を本年度から取り組んでいるもの。市が委嘱し、自主防災組織の活性化や、災害発生時の避難所運営に協力してもらうほか、地域の防災研修会に参加して講師を担ってもらい、市民の防災力の向上につなげる。
この日は、初の出前講座で、アドバイザーで被災地支援ボランティア・チームはちまき事務局長の佐藤薫さん(63)=鶴岡市布目=が「自らの命は自ら守る」と題して約30分間、講話した。
佐藤さんは、地域の防災マップの作成とともに、可能であれば消防団員や看護師、介護福祉士など地域の「人材マップ」を作ることを提案。また、あつみ温泉地区の特性を生かし、旅館やホテルとの間で大規模災害時の一時避難受け入れについて協定を結ぶことも提案。自身の被災地でのボランティア活動を事例に、「自分にできることを積極的に考えてほしい」と呼び掛けた。
地域防災アドバイザーは現在、22人が登録。被災地支援ボランティアなど女性を含め30―70代の幅広い人材がそろった。防災サポート出前講座は、地域の要望に応じて随時、アドバイザーを派遣して実施する。市防災安全課の担当者は「アドバイザーは知識も経験もあり、より具体的で専門的な話ができる。市の担当職員が年間40件ほど地域で講話しているが、登録していただいたアドバイザーからは、こうした役割も担ってもらいたい」と話している。