2020年(令和2年) 8月4日(火)付紙面より
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県高校野球大会2020(県高野連主催)は1日、中山町の荘銀・日新スタジアムで決勝が行われ、鶴岡東が優勝した。コロナ禍のため例年とは違う形態の夏の大会だったが、余裕のある試合運びで東海大山形を9―4で下した。同校は県1位校が出場する東北大会(9?11日、宮城県石巻市民球場)に進出。初戦は青森山田と戦う。軟式も同じ期間で東北大会が開かれ、本県からは羽黒が出場する。
ここは通過点とばかり、優勝の瞬間は努めて喜びを抑えた。相手最終打者のフライが中堅・野川大輔のグラブに収まったが、各選手とも大げさなアクションはない。笑顔をのぞかせながらも、足早に最後の礼に向かい勝利の校歌を聞いた。
全員3年生で臨んだ決勝戦。鈴木喬主将は「複数得点のイニングも2回あったし、良かったと思います。つなぐ野球はできた」と畳みかける攻撃が身上の自分たちのプレーができたことを強調した。昨秋の県大会準決勝16―2で5回コールド勝ちしていた相手との再戦。本塁打で先制されたが、全くたじろがず、あっさり返り討ちした。
小林が9回投げ切る 太田と2本柱が確立
今大会1イニングしか投げていなかった小林三邦が9回を投げ切った。3回無死満塁のピンチも直前3点をリードしたこともあって「点差があったことで、焦らなかった。落ち着いて投げられることができた」と併殺で切り抜けた。その後5、6回に計3点を取られたがリードを広げてからのもの。スライダーなど変化球と直球をバリエーションよく相手打者を仕留める投球は小気味良かった。準決勝(対山形中央)の太田陽都に続く先発完投勝利。投手2本柱が確立された。
県大会5試合で失策0。コロナのため全体練習が出来なかった期間が続いたがその分「1つのゴロも絶対大事に、捕球をおろそかにしなかった」(鈴木主将)という練習への真剣味が結果に表れた。センバツ進出校が出場する甲子園交流大会の開催が決まった後はモチベーションはさらに高まり、他校に付け入るスキを与えなかった。
チームのピークはあくまでも16日の甲子園・日本航空石川戦に置くが、東北大会がさらなる実力向上の場になる。
佐藤俊監督は「県大会は各選手ともしっかり準備して臨んでくれた。東北大会でも選手は入れ替える」と明言。チーム内のさらなる競争を促した。最大で3試合。昨秋の東北決勝で敗れた仙台育英は別ブロックに入り、互いに決勝に進出した場合、敵討ちのチャンスが巡ってくる。初戦・青森山田には昨秋準々決勝で逆転勝ちした。それだけにリベンジに燃えてくるはずだ。さらにレベルの高い相手との実戦を経て、甲子園では完成形のチームが見られるに違いない。
北原捕手 まだ投手との間の投球の間合いとか研究課題はある。気を引き締めたい。
馬場一塁手 甲子園までスイングスピードをさらに磨きたい。
太田左翼手 準決に比べると打撃は上向き。投げるほうもしっかりしたい。(3安打)
○…甲子園の対戦相手、日本航空石川は石川県大会準決勝まで進出した。8日に金沢商と戦い、勝てば翌9日の決勝に進出する。相手ブロックの準決勝は星稜―津幡。ともに甲子園に出場する星稜が決勝進出の場合、昨秋の北信越大会決勝の再戦となるが、決勝で日本航空石川は1―19で敗れている。エース右腕・田中颯希が変わらずチームの軸。なお夏の北信越大会は行われず、甲子園直行となる。