2020年(令和2年) 8月4日(火)付紙面より
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酒田市山元のやまもと農村交流センターに隣接する旧山元小学校グラウンドが手作り公園「山元農村公園」に生まれ変わった。「安心して遊べる・利用できる公園がほしい」という、住民、特に子どもを持つ女性たちの声を受け、市地域おこし協力隊員の霞本祐一朗さん(35)=横浜市出身=が、自治会役員らと共に造成したもの。霞本さんは「自分たちでできる手入れをこれからも施し、さらに進化させたい」と話している。
田沢小と統合し1972(昭和47)年3月で閉校した旧山元小の校舎は長く山元公民館として活用されていた。その後、山元、西坂本、小林の平田地域3地区の住民が集う同交流センターに生まれ変わったが、広さ約2500平方メートルの旧グラウンドはブランコ1基があるだけで、雑草が生えて遊ぼうにも遊べない状況が続いていたという。
2018年4月に協力隊員として着任し、主に平田地域で活動している霞本さんは、「公園がほしい」という地区民の声を受け昨年8月、小林山元自治会(阿部清志会長)、地域活性化に向けて諸活動を展開している「やまもと会議」(代表・櫻井静悟田沢コミュニティ振興会副会長)のメンバーと共に、市の「手づくり公園整備事業」を活用して旧グラウンドの公園化に着手した。
生い茂った雑草を刈った上で、近隣河川の砂防工事で出た残土を用いて北側約800平方メートルを盛り土。今春以降、遊歩道に木材チップを敷いた他、ブランコや水飲み場の「お色直し」、丸太・タイヤ遊具の整備、回転遊具やベンチの新設、コキア、マリーゴールドといった花々の植栽などを施し、「安心して遊べる公園」にした。
お披露目会が1日、現地で行われ、園内に植栽した桜の幼木前に樹種名と寄贈者が記された木製プレートを地元の子どもたちが設置した。その後、交流センターに場所を移し、霞本さんと阿部会長(71)がスライドを使ってこれまでの経過を紹介。阿部会長は「今後どう変化していくか楽しみ」、霞本さんは「田沢小児童の要望を聞きながら手入れをしていきたい」とそれぞれ語り、田沢コミ振の久松勝郎会長は「近くの田沢川ダムとともに、にぎわい創出・交流拠点として活用していけたら」と話した。