2020年(令和2年) 10月17日(土)付紙面より
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今年で創立100周年を迎えた鶴岡市の鶴岡工業高校(百瀬克浩校長)で15日夜、定時制生徒会による「夜の映写会」が開かれた。定時制ならではの夜の闇を生かし、自分たちで作った映像を校舎壁面に投影したもので、定時制の歴史や「この学校に通えることに感謝」など学校への思いを披露した。
同校は1895(明治28)年に開設された鶴岡町立鶴岡染織学校を前身に1920(大正9)年、県立鶴岡工業学校として創立。4年制の定時制は1948(昭和23)年に3科(電気、機械、建築)でスタートし、現在は1科(工業技術)に10―20代の16人が通う。本年度は学校を挙げて100周年記念事業に取り組む中、定時制生徒会でも8月末から「定時制ならではの企画を」と準備した。
制作した映像は、▽定時制を含む学校の歴史▽定時制の生徒の活動(各種大会での入賞や生徒総会、授業や給食など学校生活)▽在校生の言葉(100周年への思いや自分の目標など)―の3部構成。写真や文字で約10分間にまとめた。
この日は、授業終了前後の午後8時45分と9時5分の2回、4階建て本校舎西側の壁面に、縦約4・5メートル、横約8メートルの大きさで投影した。
在校生の言葉では「節目に立ち会えて良かった」と100周年への祝意を示すもののほか、「4年次生なので、卒業まで体調を整え、休まず登校したい」「10年後の自分へ。しっかり働き親孝行して幸せに暮らしていてほしい」「この学校に通えることに感謝し、これからの日々を大切に過ごしたい」など、自分の目標や周囲への思いをしたためたものも。闇の中にくっきりと浮かび上がる映像を、集まった生徒や家族は目に焼き付けるように見つめていた。
樺山愛乃生徒会長(18)=3年次生、鶴岡市藤島=は「この学校に通うことで、自分は良い意味で変わることができた。記念の年にこの学校に通えてうれしい」。県立高校再編計画に基づき定時制は2022年3月に募集を停止し、25年3月に閉課することが決まっている。「残念だが、私たちが社会に出て活躍することで歴史をつないでいきたい」と語った。卒業後は進学を希望しているという。
映像は16日も同時間帯、旧体育館外壁に投影。
2020年(令和2年) 10月17日(土)付紙面より
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今年7月の大雨で被害を受けたJA庄内たがわ月山ワイン山ぶどう研究所のワインを使った「ワイン染めシルク」のスカーフとマスクが商品化され、鶴岡市がふるさと納税の返礼品として活用している。17日から一般販売も始める。
同市朝日地域にある貯蔵施設が浸水して廃棄されることになったワインの有効活用と地域活性化を図る「月山ワイン復興プロジェクト」の一環。商品はシルク製品の企画・販売を手掛ける鶴岡シルク(鶴岡市)が製造。シルクの滑らかな肌触りを生かし、つややかなブドウの色合いが特長の製品となっている。
返礼品はスカーフ、マスクそれぞれに、被害を受けていない赤ワイン「ソレイユ・ルバン・ヤマソービニオン」750ミリリットル瓶を1本ずつ組み合わせた2種類を設定。いずれも100セット限定で、1万5000円の寄付を対象にした。先月下旬から受け付けを開始し、今月上旬から発送を始めた。
返礼品とは別に、スカーフ、マスク単体での一般販売は朝日地域の道の駅「月山」で行い、それぞれ1980円(税込み)。問い合わせは月山ワイン山ぶどう研究所=電0235(53)2789=へ。