2020年(令和2年) 10月2日(金)付紙面より
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鶴岡市の「温海地域乗合タクシー」の試験運行出発式が1日、同市戸沢のバス停で行われた。前日に廃止となった庄内交通の路線バス3路線に代わり、住民が主体となった「温海地域公共交通運営協議会」(会長・佐藤静夫温海地域自治会長会会長)が新規1路線を含む4路線で運行するもので、出発式では関係者が乗合タクシーの前で安全運行と地域振興を願い、テープカットを行った。
協議会は今年5月、温海地域の自治会や観光、福祉の各団体、市の関係者ら10人で設立。過疎化で路線バス運営が厳しさを増す中、住民主体で地域に根差した公共交通網を確保する狙い。
乗合タクシーは、事前に路線と運行時間を定め予約なしで乗車できる「路線定期運行」、事前にある程度の路線と運行時間を定め、予約制で乗車する「区間運行」の各方式2路線の計4路線。路線定期運行は1戸沢線(戸沢―五十川―あつみ温泉。運行は月―金曜日に1日2往復)、2平沢線(平沢―大岩川―あつみ温泉。運行は月―土曜日に1日3往復)、区間運行は3関川線(関川―木野俣―槙代―あつみ温泉駅。運行は月―金曜日に1日3往復)、4菅野代線(菅野代―温海川―一霞―あつみ温泉駅。運行は月・水・金曜日に1日1往復)。菅野代線は新規路線。
協議会の委託を受け、12は庄内タクシー(湯温海)がジャンボタクシー(9人乗り)で、34は温海温泉観光自動車(同)が小型タクシーでそれぞれ運行する。34は会員登録の必要があり、これまで3が65世帯、4は19世帯が登録。運賃は路線ごとにゾーンを定め、同一ゾーン内は200円、ゾーンをまたぐ場合は400円。障害者と小学生は半額、未就学児は無料となる。
従来に比べ、車両は利用実態を踏まえ小型化した一方、バス停の数は増やし利便性を向上させたという。
この日の出発式は午前7時半から戸沢線の出発点の「強竜寺前」で行われた。運営協議会の佐藤会長が「何事も人口減少、高齢化だから幸せになれないと考えがちだが、幸せになる方向で考えたい。積極的に利用を」とあいさつ。皆川治市長や山五十川自治会の鈴木金右エ門会長、庄内タクシーの佐藤一洋専務と共にテープカットした。乗客1号となった戸沢の無職、三浦定女さん(80)は「湯温海の医者に行く。便利になってうれしい」と話した。
運営協議会の本年度の事業予算は1268万円で、全額が市の補助金。試験運行は1年ごと、最長3カ年まで継続できる。
2020年(令和2年) 10月2日(金)付紙面より
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酒田市の浜田小学校(佐藤寿尚校長、児童213人)の5年生35人を対象に、「海の学校」が30日に行われた。児童たちは海上から酒田港や酒田の町並みを見学するとともに北前船の歴史と文化、地元の海の役割を学んだ。
海と日本プロジェクトin山形実行委員会が「日本遺産の誇りでつなぐ海洋教育連携事業」鍋として実施。児童たちは県漁業監視調査船「月峰」に乗り込み、港内の内海から外海に出て約1時間かけて遊覧した。
船上で北前船の西回り航路の説明を受け、船上から見える造船所やタグボートの役割などを学んだ。月峰は15―25ノット(時速約30―50キロ)の速度で航行し、児童は揺れるデッキで海風を受けながら見学を楽しんだ。
高橋陽斗君(11)は「とても気持ち良かった。船に乗るのは2度目なので怖くはなかった」と話した。
その後、市内の日和山公園、旧鐙屋(国指定史跡)、山居倉庫を巡り、北前船が酒田にもたらした文化や歴史に触れた。