2020年(令和2年) 10月24日(土)付紙面より
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二十四節気の一つ「霜降」の23日、鶴岡市の鶴岡公園で恒例の「松の胴巻き」が行われ、作業員たちがアカマツやクロマツなどの幹に、害虫から木を守るためのコモを巻いた。
ガの一種「マツカレハ」の幼虫など害虫が樹皮の隙間に潜り込んで越冬する習性を利用し、霜降にコモを巻き、虫が動きだす3月初旬の「啓蟄(けいちつ)」にコモごと外して焼き、駆除する。市が公園管理の一環で1963年から毎年行い、風物詩として定着している。
この日は、市の委託で公園管理を行っている市シルバー人材センターの作業員6人が午前9時から1日がかりで、公園内のアカマツ66本、クロマツ16本、ゴヨウマツ2本の計84本にコモを巻いた。作業員たちは2人組になり、地上から高さ1・5メートルほどの幹に、幅約50センチ、長さ約1・8メートルのコモを巻き、縄で縛った。約30年前からこの作業を続けているという同市下川の飯田惣吾さん(80)は「これは一種の芸術。縄は男結びで結び、結び目の切り口が全部上を向くようにしている」とこだわりを語った。松の胴巻きを皮切りに、来月末まで雪吊りなど公園内の冬支度に追われるという。
市都市計画課公園緑地係の担当者は、今年の新型コロナ感染拡大の影響について「特に作業に影響はない。できれば害虫と一緒に駆除したい」と、早期収束への思いをにじませた。