2020年(令和2年) 10月6日(火)付紙面より
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今年10月から12月までの3カ月間、新潟県全域と山形県庄内地方で「日本海美食旅(ガストロノミー)」をテーマで開催される「新潟県・庄内エリアアフター(ポスト)デスティネーションキャンペーン(DC)」のうち、観光列車「海里」のお出迎えが3日、JR酒田駅構内で行われた。
日本海や雄大な山々に育まれた「食」を通じて、地域の自然や歴史・文化、人などの背景を発信。周遊スタンプラリーや日本海美食旅をコンセプトにした料理提供店を紹介し、より多くの人に訪れてもらうのが目的。
この日は新型コロナウイルス感染症の影響で、3密を回避するため振る舞いなどのイベントは控えられ、酒田市、庄内観光コンベンション協会、JR酒田駅の職員約25人がプラカードや旗を持ちホームへ降り立つ旅行客らを出迎えた。
新潟県から訪れた石井啓司さん(66)夫妻は「酒田は何度も来ている。今回は日帰りで本間家旧本邸や庭園を見るのが目的」と話しアフターDCのパンフレットを手にしていた。
実施主体となった新潟県・庄内エリアDC推進協議会山形県推進部会の渋谷陽一さんは「本来であれば振る舞いやゆるキャラでお出迎えをするところだが、今年はコロナ禍でできない。せめてもの思いとして心を込めてお出迎えした」と話した。この日JR鶴岡駅と同酒田駅で降りた海里の乗客数は73人で乗車率約85%だった。
昨年10―12月のDC本番の庄内の主要な観光施設の入り込み客数は204万8000人で前年同期比の5%増と伸びた。
2020年(令和2年) 10月6日(火)付紙面より
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鶴岡市の朝暘三小(生田浩樹校長、児童605人)は3日、同校に80年以上続く夏の海浜学校が新型コロナウイルスの影響で中止になったことを受け、同市越沢から鼠ケ関まで最長約20キロの道のりを歩くロングウオーク行事を開催した。
プールの授業や運動会などの学校行事が中止になる中、卒業を控える6年生109人が主体となれる場をつくろうと、6年を対象に今年7月に実施予定だった鼠ケ関での海浜学校の代替案として企画。スタートの山間部からゴールの海を目指して歩くことで目標に向かうことや困難を乗り越えることの大切さを知ってもらう目的だ。
同日はコロナ対策をしながら6年児童とその保護者、海浜学校関係者など総勢170人ほどが参加。教員らが事前に歩いて下見し、児童の体力や体調に応じて20、16、8キロの3つのコースが設けられた。午前8時、最長コースのグループが同市越沢のまやのやかたを出発。道中は数キロごとに栄養補給のバナナやご褒美のお菓子などの休憩場所も設けられ、児童は田園風景や森林などを眺めながら海を目指した。最速で4時間ほどでゴールをしたグループもあり、鼠ケ関の浜辺で教職員や保護者らが子どもたちを拍手で出迎えた。
ゴール後、6年の担任教師がメンバーとして活動する、酒田市の「太鼓道場 風の会」(伊藤裕介会長)が浜辺で太鼓の演奏をサプライズ披露。海を背に迫力のあるパフォーマンスを繰り広げ、子どもたちは何度もアンコールを求めていた。
同小6年の池田隼さんは「昨年に比べると今年はコロナで行事は減ったし、いろいろ変わってしまったけど、先生たちが6年生のために場をつくってくれたりした。ロングウオークはたまにつらいと思うことがあったけど、とても楽しかった」と話していた。