2020年(令和2年) 11月13日(金)付紙面より
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酒田港で水揚げされたスルメイカなど多様な魚介類、豊かな水と大地で生産される野菜、全国的に強いブランド力を持つ畜産物など酒田産食材を使用した料理、地酒を提供する「酒田Fair(フェア)」が30日(月)まで、東京都内5つの有名料理店で行われている。酒田市農林水産部によると、フェア目当てに来店する客もおり、評判は上々という。
一流料理人から酒田の食材の素晴らしさを認めてもらうとともに、都内で広く発信することで酒田の認知度向上を図り、観光誘客など酒田を訪ねる機会を創出しようと市が初めて企画。参加店舗は▽分とく山(港区南麻布五丁目)▽銀座 鮨青木(中央区銀座六丁目)▽アロマフレスカ(中央区銀座二丁目)▽銀座あさみ(中央区銀座八丁目)▽八芳園内スラッシュカフェ(港区白金台一丁目)―といずれも一流店。1日からスタートした。
和食、すし、フレンチなどそれぞれの分野で活躍するシェフが、酒田産食材を盛り込んだメニューを開発・提供。地酒は市内の全7蔵による純米大吟醸、純米酒などを用意している。例えば、NHK総合「きょうの料理」などでおなじみの分とく山の野崎洋光総料理長は「霜月酒田市フェア」と銘打ち、今月末まで酒田船凍イカサラダ仕立て、平牧金華豚のしゃぶしゃぶ、寄せギバサ(飛島産)、庄内柿などを提供。これに麓井の純米吟醸、上喜元の純米大吟醸を合わせている。
丸山至市長、竹越攻征農林水産部長らが今月上旬に各店を視察。竹越部長によると、このうち野崎さんは「品質に満足している」と言い、「一級品は都内で出し、特級品は地元で出すように。『酒田に来るともっとおいしいものが食べられる』というPRをしてみてはどうか」というアドバイスを受けたという。「一流シェフのニーズに応えるため、さらなる品質向上を目指すなど、次の一手を考えたい」(竹越部長)という。
フェアには全日空が協賛しており、機内誌「翼の王国」で紹介。また、今月末までの期間中、参加5店舗で食事した人を対象に、抽選で羽田―庄内間の往復航空券を5組10人にプレゼントする。
2020年(令和2年) 11月13日(金)付紙面より
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酒田市と姉妹都市盟約を締結するロシア連邦ジェレズノゴルスク・イリムスキー市、啓翁桜の輸出を機に交流がスタートした同国第2の都市、サンクトペテルブルク市。これまでの交流の歴史を振り返る企画展が、酒田市総合文化センターモールで開かれている。
酒田とジェ市の交流は1971年、第2回日ソ沿岸市長会議が新潟市で開かれた際、酒田側が環日本海の交流促進に向けてソ連側に姉妹都市提携の希望を伝えたのがきっかけ。翌72年の第3回会議でジェ市が名乗りを挙げ、79年に姉妹都市盟約を締結。以来、毎年のように一般や青少年が相互訪問しスポーツや芸術など多面的に交流している。酒田市によると、これまでジェ市から28回352人、酒田市から23回349人、合わせて51回、延べ701人が行き来している。
一方、ペテルブルク市との関係は2016年、JA庄内みどり(同市曙町一丁目、田村久義代表理事組合長)が特産の啓翁桜を輸出したのが始まり。18年2月には丸山至市長やJA関係者、さかた観光交流マイスターの酒田舞娘(まいこ)はじめ市の使節団がペテルブルクを訪問し、経済や文化など多面的な交流推進を要請。この時の合意に基づく青少年交流事業の一環で昨年3月、酒田南高の生徒たちがペテルブルク市の公立小中高一環教育校「第583番学校」などを訪ねたことなどを縁に両校は同11月、包括協定を結んだ。今年2月には583番学校の教諭と生徒計5人が酒田を訪問し、児童・生徒たちと交流した。
企画展は「日露地域交流年」(20―21年)に合わせ、新型コロナウイルスの感染拡大で海外との往来が困難な中、酒田とロシア両都市の友好交流の記録と記憶を振り返ることで今後につなげていこうと、市交流観光課が企画。
これまでの歴史をたどる写真パネル約80枚とともに、ジェ市との盟約締結式で交わされた「本協定は無期限である」などと記された協定書、寄贈を受けた各種民芸品を展示している。訪れた市民らは興味深げに見入っていた。
文化センターでの展示は16日(月)まで。引き続き20(金)―30日(月)は市交流ひろば1階ロビー、12月15(火)―24日(木)には市役所1階フリースペースでも実施する。入場無料。