2020年(令和2年) 2月28日(金)付紙面より
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県教育委員会は26日、2020年度公立高校入学試験(一般選抜)の志願状況を発表した。推薦入学内定者を除いた平均志願倍率は、全日制が前年度より0・01ポイント低い0・93倍となり、3年連続で1倍を下回った。定時制は同0・01ポイント高い0・45倍。全定合わせた平均志願倍率は前年度より0・01ポイント低い0・91倍となった。全日制と全定合計の倍率は、いずれも記録が残る1998年度以降で最も低い数値。
20年度入試の全日制の実施学校数は、鶴岡南山添校の募集停止による1学科減を受け、校数は前年度と同じ42校だが学科数は前年度より1学科減の98学科となった。全定合わせた総入学定員は前年度比120人減の7280人、志願者総数は136人減の5837人。
全日制の総入学定員から推薦選抜内定者(857人)を差し引いた一般選抜の定員は、前年度より64人減の6143人だった。これに対する志願者数は前年度比139人減の5710人で、志願倍率は0・93倍(前年度比0・01ポイント低下)。
全日制の42校98学科のうち、志願者数が定員に満たなかったのは34校57学科で、前年度より1校5学科の減。庄内地域では9校14学科で定員割れとなった。定時制の総入学定員は5校5学科で一般選抜定員280人に対し127人が志願した。
県内各校の定員割れが進む現状を受け、18年度から県外からの志願者受け入れを実施している加茂水産、遊佐のうち加茂水産は志願者1人があった。また、前年までゼロだった遊佐は5人の志願者があった。
庄内地域での高倍率の学科は鶴岡工業の情報通信科が1・86倍と最も高く、県内でも5番目の倍率。このほか酒田東の探究科が1・76倍と志願者を集めた。
20年度一般選抜の傾向について県教委は「前年度に引き続き、探究科や普通科探究コースの志願者が多かった。また、高倍率の学科には専門学科が多く見られた」としている。
一般選抜の学力検査は3月10日(火)に国語、数学、社会、理科、英語の5教科で実施する。一部の高校は11日に適性検査を行う予定。合格発表は同17日(火)に行われる。
庄内地域の学校別合格発表予定時間は次の通り。
▽午後3時=鶴岡南、加茂水産、庄内農業、庄内総合、遊佐
▽午後3時半=鶴岡工業(定時制含む)
▽午後4時=鶴岡北、鶴岡中央、酒田東、酒田西(定時制含む)、酒田光陵
2020年(令和2年) 2月28日(金)付紙面より
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酒田市は、同市南新町の日和山公園内にある「木造六角灯台」(旧酒田灯台、県指定有形文化財)について、インターネット上で寄付を募るガバメント・クラウドファンディングを使い、補修する計画を進めている。6月の東京オリンピック・パラリンピックの聖火リレーで同公園が同市の出発地点となることから、これに向けて「お色直し」をし、併せて「日本最古の木造灯台」の存在をアピールする。
灯台は1895(明治28)年10月、最上川左岸河口の宮野浦に建てられた木造六角洋式。施工は、相馬屋(現・相馬樓)や山王くらぶなどを手掛け「名棟梁」といわれた佐藤泰太郎といわれる。その後、対岸に移され、1958(昭和33)年には高砂に近代灯台が完成するとお役御免となり、現在地に移築保存された。高さは約12メートル。88(昭和63)年、県有形文化財に指定された。現存する木造灯台としては日本最古といわれている。六角の形や白塗りの外壁が明治・大正期のロマンを誘い、港町酒田のシンボルになっている。
補修は5年に1度、所有する市が外壁の塗装を中心に行っており、本来は2020年度事業で行う計画だった。しかし、東京五輪の聖火リレーが6月8日、同市では日和山公園を出発地点に山居倉庫、東北公益文科大、飯森山公園を通るコースで行われるため、前倒しで行うことにした。今月25日に開会した3月定例市議会に、補修のための公園施設再整備事業976万円を盛り込んだ本年度一般会計補正予算案を計上した。
工事は経年劣化による外壁の塗装、高欄部や壁面の補修、ライトアップ用の照明設備の設置などを予定。予算案が可決されれば、4月中にも工事に入り、聖火リレーまでに外壁の塗装など外側の工事を終え、足場を撤去。聖火リレー後、7月ごろまでに内部の補修も完了する予定。
クラウドファンディングは、六角灯台や聖火リレーへの関心を高めるため実施する。目標金額は「100万円」を設定。3月2―31日に同市のふるさと納税を扱っているサイト「ふるさとチョイス」で受け付け、集まった寄付は補修に充て、その分、公園施設再整備事業から差し引く。寄付の方法や返礼品は、通常の同サイトのふるさと納税と同じ。
市土木課では「灯台は、近年多発する集中豪雨などで汚れているが、聖火リレーの時はきれいな姿を見てもらいたい。これを機に、こうした貴重な文化財が酒田にあることを知ってもらえたら」としている。
クラウドファンディングについては3月2日以降、ふるさとチョイスへ。