2020年(令和2年) 3月4日(水)付紙面より
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新型コロナウイルスの感染拡大防止のためとして、政府が要請した一斉の臨時休校が2日に始まり、庄内地域では同日から鶴岡、三川、庄内の3市町、3日からは酒田、遊佐の2市町の全小中学校が臨時休校に入った。子どもを預かる各地の放課後児童クラブ(学童保育)は朝から開所して児童を受け入れるなど対応に追われている。
小学校26校が一斉に休校に入った鶴岡市では、2日から小学校単位にある計22の学童保育所全てで終日開所の対応が取られている。このうち市社会福祉協議会が運営する第四学区学童保育所には2日、登録児童171人のうち93人の子どもが午前中から訪れた。
担当者は「当初想定したより少なかった」と話す。同じように休校となっている中高生の兄や姉が小学生の弟や妹の面倒を見る家庭や、祖父母に預けている家庭もあるのでは、推測する。
児童館併設の同学童保育所は急きょ、児童館担当職員を学童保育のスタッフに充当するなど職員の勤務シフトを整えて対応した。「こうした対応が取れない学童保育所は人員の手当てが大変では」といった声も聞かれた。
来所した登録児童のうち小学6年の男児(12)は「最後まで学校に登校したかった。卒業制作を仕上げられなくて残念だった」、別の6年の男児(12)は「卒業式までの残された間、ここでいろんな人と交流したい」と話した。子どもたちの間には「生活の場が限られてつまらない」「お出掛けできなくて、楽しくない」といった声もあり、外でサッカー遊びをする子どもたちの姿もあった。
子どもを迎えにきた母親は「春休みが1カ月に延びて毎日の弁当や送迎が大変」と話していた。
学童保育所では、子どもたちの利用前後の検温と手指消毒を徹底している。市内5カ所で学童保育所を運営する市社協の本間友也事務局次長は「先は長い。万が一、市内で感染確認があれば、継続して子どもたちを受け入れできるかどうか。できない場合は、どこが受け皿となるのか」。懸念を口にした。
2020年(令和2年) 3月4日(水)付紙面より
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新型コロナウイルスの感染拡大防止に伴う県内の小中高校の臨時休業に関連し県は2日、緊急経済対応会議を県庁で開催した。学校の臨時休業による県内経済への影響を把握し必要な対策を講じるとともに、支援の充実など政府へ提出する要望を協議していく。
同会議は今月1日付で設置。第1回会議には吉村美栄子知事を議長に、若松正俊副知事や各部局長など約30人が出席した。冒頭で吉村知事が「学校の休業は本県経済に大きな影響を与えると思われる。早急な対策が必要」と述べた。続いて担当職員が中小企業・小規模事業者向け相談窓口や融資制度など、政府、県のこれまでの支援策について説明した。
今後、県内経済に与える影響としては▽スクールバスや給食センター休止による関連業者の売り上げ急減▽謝恩会などの中止による飲食業やホテル・旅館業、関連業者の売り上げ急減▽各種イベントの自粛による関連業者の売り上げ急減▽保護者の休業による収入減▽学童保育の受け入れ拡大に伴う負担増―などが挙げられた。
一方、学校の休業に伴う児童生徒の居場所の確保について、今月1日に市町村長・市町村教委へ「学校施設の活用や教員への支援要請を図り、居場所づくりの体制整備」を文書で依頼したことを明らかにした。
県教委によると、保護者が仕事を休めないが一人で過ごすことが難しい小学校低学年や特別な支援が必要な児童生徒について、居場所の確保に係る体制整備を依頼。整備の例として▽授業時間帯は学校で対応し、その後は放課後児童クラブで対応▽学校施設を活用した臨時放課後児童クラブを開設する―などを提示し、「各市町村の実情に合わせた対応を検討し、体制が整ったところから実施を願う」とまとめている。
会議の最後に吉村知事が各部局へ「早急な経済的影響の調査と必要な対策を実行するとともに、政府に対する支援策要望の取りまとめを進めてほしい。同時に県内企業へ支援情報の提供を」と指示した。