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2020年(令和2年) 4月26日(日)付紙面より

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自粛要請に応え軒並み休業 苦悩の中、コロナ早期終息願い

 県は新型コロナウイルス感染拡大防止のため各業種に営業自粛を要請したが、25日初日を迎えた。来月10日までの16日間。例年はゴールデンウイークで観光業など各業種とも書き入れ時だが、“我慢の時”のスタートとなった。

 例年なら営業開始時間の午前9時は大型観光バスが次々に滑り込んでくるはずだったのに庄内観光物産館(鶴岡市)前の駐車場はガラーンと車は1台も止まっていなかった。自粛要請に東京第一ホテル鶴岡なども運営する庄交コーポレーションは「そのまま受け入れる」と休業した。前日24日は鮮魚コーナーなど、賞味期限がある物は半額近くまで割り引くなど商品一掃に努めていた。休業告知が数日前から行われていたこともあって、当日は混乱もなかった。

 パチンコ店などでつくられる県遊技業協同組合は加盟の県内約90店が自粛要請に応じた。鶴岡市内のパチンコ店は休業期間を「当面の間」として含みを持たせ、コロナ終息が見えない苦悩ぶりがうかがえた。

 「道の駅」(全21店うち庄内5店)もそろって休業した。東北の他の県は「時短営業」など営業継続させており、足並みそろえて全面休業は山形だけ。「あつみ・しゃりん」の矢口泉支配人は「つい最近まで県外の観光客に“来てくれ、来てくれ”と県挙げて運動していたのに、全く逆に“来ないでくれ”になるなんて」と今年に入っての急展開に心の整理がつかない様子。それでも12人の従業員は特別休暇にして雇用を守るといい、この半月間は交代制で店内のメンテナンスなど各自出勤するという。「このままコロナが治まったら政府主導でゴールデンウイークに代わる秋連休を設けてほしい」とコロナ終息後の政策を期待していた。

 「支配人会」で営業継続を決めた庄内のゴルフ場はホームページで県外客お断りを打った。「県外からの来場がある業種」という自粛要請の中身を意識したもので庄内ゴルフ倶楽部(庄内町)湯の浜カントリークラブ(鶴岡市)ともシャワー利用、レストラン利用は制限をつけ、「3密」を招かない態勢づくりに努める。

 ○…「ホテルイン鶴岡」「ホテルイン酒田」を運営する月見(本社酒田市)は通常営業を実施する。「観光ではなくビジネス客が主体。仕事で来ている方の需要には応じたい」(ホテルイン鶴岡)との判断。3密防止策は予約客を絞り込むことで、館内の混雑を呼ばないよう努力するという。

庄内観光物産館の駐車場はガラーンと車がなかった=25日午前9時すぎ
庄内観光物産館の駐車場はガラーンと車がなかった=25日午前9時すぎ

パチンコ店は営業自粛を「当面の間」とした
パチンコ店は営業自粛を「当面の間」とした


2020年(令和2年) 4月26日(日)付紙面より

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50%プレミアム付き飲食券販売 鶴岡市 9億円超の追加経済対策

 鶴岡市は24日、新型コロナウイルス感染拡大に伴う約9億400万円規模の追加経済対策を発表した。テークアウト(持ち帰り)やデリバリー(配達)の取り組みを含めた飲食業者支援に向け、1冊6000円分を3000円で販売する50%プレミアム付き飲食券事業や、タクシーや運転代行事業者への補助、売り上げが減少した商工業者に対する金融支援などを盛り込んだ。関連予算を計上した2020年度一般会計補正予算案を5月1日の市議会臨時会に提出する。

 プレミアム付き飲食券の販売は、19年度補正として3月に議決された宿泊・飲食業応援事業1億円について、内容を変更して実施する。対象となる飲食業者を募集した上で、6000円分(500円券12枚つづり)の飲食券を半額に相当する3000円で5月下旬から8月末に約3万1000冊販売する。使用期間は9月末までとし、鶴岡商工会議所が始めたテークアウト・デリバリー紹介事業「鶴岡ごちそういただきます」との連携も図る。

 地域内交通事業者支援では、タクシー1台当たり2万円、貸し切りバス同5万5000円、運転代行随伴車同1万5000円を補助する。金融対策では、市商工業振興資金「長期安定資金2」の融資枠を20億円追加するとともに、対象要件緩和や事業者負担を軽減する。最近3カ月の売上高などが前年同期より減少している事業者に、上限2000万円で融資する。貸付期間10年以内、無利子とし、信用保証料は市が全額を補給する。8月末まで取り扱う。雇用調整助成金支給の支援に向け、事業者向けのワンストップ型窓口を5月1日から庄内産業振興センターに開設する。

 宿泊事業者への支援策では、本年度の固定資産税の半分相当額を補助する。支援に伴う補助総額は約1億5000万円を見込む。



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