2020年(令和2年) 7月11日(土)付紙面より
ツイート
鶴岡のお盆(7月)に食べられる超極早生の茶豆「つるおかぼんちゃ」の収穫が9日から、市内のほ場で始まった。4月の低温などで生育が心配されたが、「味はとても良い」という。同市布目の庄内観光物産館「ふるさと本舗」で10日から販売している。
元山形大客員教授の赤澤經也さん(鶴岡市稲生一丁目)が「極早生だだちゃ」を品種改良して育種、2013年3月に品種登録(登録品種名・赤澤1号)された。この時期の枝豆としてはうま味、甘味とも強く、地元の茶豆特有の豊かな香りが特長。13年から本格栽培されている。
ふるさと本舗と契約栽培している「ふるさと本舗直売グループ」(佐藤蘭子代表、5人)では計約70アールで栽培。このうち40アールを作付けした同市寺田の農業、石塚寛一さん(45)方では、昨年より2日遅く、今月9日から収穫を始めた。
石塚さんは「4月が低温続きで、5、6月は乾燥、6月下旬からは雨続きで、草丈はあまり伸びなかった。それでもじわじわと日が当たったせいか、根球菌の付きは良く、味はとても良い」という。そして、「この時期に収穫できる他品種もいろいろ試したが、やはり地元で育種された品種はこの土地の風土に合っているのか、おいしい」と話す。収穫時期は短く、今月20日ごろまで。
ふるさと本舗の販売価格は1袋(380グラム入り)800円。営業開始時間は午前9時。問い合わせは同本舗=電0235(25)5111=へ。
2020年(令和2年) 7月11日(土)付紙面より
ツイート
出羽商工会(本所・鶴岡市大山、上野隆一会長)は新型コロナウイルス対策で、管内7地域ごとの物産をセットにして送る「出羽ふるさと応援便」を来月上旬から実施する。地酒や漬物、お菓子、果物、海産物などを、3000円、5000円の2種の価格で計約20セット準備し、古里の味を地元出身者らに届ける。
新型コロナで消費が落ち込むとともに、移動の自粛で5月の連休や夏休み期間も帰省を控える人が多くなるとみられる中、古里の物産を届け、地元の経済活性化につなげる狙い。宣伝パンフレットの制作や送料などの経費は同商工会が負担し、売り手、買い手双方にとってお得な企画とする。地域ごとに3000円、5000円のセットを数種類ずつ準備し、首都圏の古里会を通じ地元出身者らにPRしてもらう。
セットは例えば、▽藤島=庄農うどんセット(庄内農業高の生徒が作る庄農うどんや、トビウオだし、豚肉など)▽大山=尾浦晩酌セット(地区内4蔵元の地酒、麦切り、漬物など)▽三川=みかわのおにぎりセット(つや姫の米飯パックと藻塩など)▽朝日=月山ワインセット(月山ワイン、山ぶどう果汁など)▽櫛引=くしびき葉月セット(茶豆、デラウエア、漬物、餅など)▽羽黒=羽黒スペシャル(地酒、漬物など)▽温海=摩耶山と海の幸セット(地酒・摩耶山、水産加工品)―など。
9日には同商工会本所に各地域の担当者が詰め合わせ予定の物産を持ち寄り、上野会長らと共に中味や価格との釣り合いなどを確認、セットの名称を考えた。
上野会長は「新型コロナで社会システムが大きく変わり、物を売る方法も変わる。地元の事業者がそうした変革を探るきっかけにもなれば」と企画への思いを語った。
今月17日に藤島支所で各セットを撮影し、その後パンフを作成。来月上旬から受け付けを開始し、12月中旬ごろまで実施の予定。一部は季節で中身を変える。問い合わせは同商工会東部センター=電0235(57)2833=へ。