2020年(令和2年) 8月21日(金)付紙面より
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庄内町一店逸品研究会(鈴木碧会長)は、同会加盟の13店舗の紹介動画を制作し、動画配信サイトユーチューブで公開をしている。一店につき1分前後で店舗や逸品を紹介し、町内はもとより町外や県外の若い世代の顧客層にアピールするのが目的。身近なお店として親しみやすいように方言も交えた内容になっている。
例年、2月に紹介冊子が完成すると3月下旬に逸品祭りを開催しお披露目と即売会を行うのだが、今年は新型コロナウイルス感染症の影響で開催を中止した。紹介の機会を失った同会は、以前から議題に挙がっていた動画制作に取り組み、先月中旬から約3週間をかけて完成させたという。撮影とインタビューは同会スタッフが担当し、編集は同会加盟店の理美容店Win&チャームの佐藤勝則さんが担当。今月上旬から公開した。鈴木会長は「ユーチューブでの公開自体がまだ浸透していないが、これからの反響が楽しみ」と話した。
各種端末でユーチューブを閲覧できない年配の顧客層のためには、荘内銀行余目支店の協力を得て同店待合室のテレビで繰り返し放映してもらうなどの取り組みも実施し、今後は庄内町内の医療機関や公共交通機関の待合室テレビでの放映も検討している。
同会は今回の動画を基本編とし、現在、第2弾応用編の制作を検討している。内容は、逸品だけでなく、もっと掘り下げて店主の人となりなども紹介する予定だという。
動画の検索方法は、ユーチューブで「庄内町」と入力すると候補に「庄内町一店逸品」が出てくる。もしくは同会ホームページまたは同会フェイスブックに貼られているリンクからも動画を閲覧することができる。問い合わせは同会事務局の長澤さん=電0234(42)2556=へ。
2020年(令和2年) 8月21日(金)付紙面より
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若者の地元定着率が県内で最も低い庄内地域の対応策を考察する「庄内若者定着促進会議」(座長・永澤浩一県庄内総合支庁長)の本年度会合が19日、酒田市のホテルリッチ&ガーデン酒田で開かれ、産業、教育、行政など各界の代表者約50人が出席。新型コロナウイルスの感染リスクが高い首都圏を避け、より安全な地元を選ぶ新卒予定者が増えているという「追い風」を生かし、積極的にアプローチしていくことなどを確認した。
同会議は、県の「オールやまがた人材確保・生産性向上推進協議会」の庄内地域部会で2018年に設立。産業、教育、行政、金融機関、労働、報道の代表で組織しており、庄内地域における若者の定着・回帰を促進するための施策を検討している。
この日は庄内5市町の首長、商工会議所、高校の校長会、PTA連合会、金融機関、事務局の同支庁などから約50人が出席。永澤支庁長が「来春卒業予定者の就職希望調査結果を見ると、例年に比べて地元希望が高くなっている。コロナ禍で首都圏を避け、地元を選ぶ生徒たちが増えていると考えられる。この機を逃すことなく、若者への働き掛けを強化していこう」とあいさつした。
事務局が庄内地域における若者定着の現状など報告。20年3月末の高校新卒者県内定着率は63・4%で、ここ数年は縮小傾向にあった県全体(76・4%)との格差が広がった。全国的な人手不足で県外から活発な求人があったのが要因という。その一方、来春卒業予定者の県内就職希望割合は今年6月末現在、71・2%まで回復。「経営が厳しい中とは思うが、企業関係者からは求人をお願いしたい」と述べた。
また、若者の社会増減の推移を示して「15―24歳の県外への転出超過数は県内4地域で最多だが、25―34歳では唯一、10年間にわたって県外からの転入超過が続いている。Uターン者を含めこの年代への働き掛けも重要になる」と説明した。
協議では、出席者たちから「キャリア教育、地域学習で地元愛を持つ人材の育成を図っていきたい」「県外に比べて賃金の安さは否めない。何かしらの対策が必要」「技術者の受け皿をしっかりつくりたい。企業の立地は大学の研究とリンクする場合がある。東北公益文科大の研究機能強化、安定経営に向けて公立化を図るべき」といった意見が出された。
会議終了後、永澤支庁長と、秋葉信悦酒田、菊地喜好鶴岡両公共職業安定所長が、弦巻伸酒田、加藤捷男鶴岡の両商工会議所会頭、上野隆一庄内地区商工会広域連携協議会長に対し、来春新規高卒者の積極的な求人を要請した。