2020年(令和2年) 8月22日(土)付紙面より
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鶴岡市特産の赤カブ栽培のための焼き畑がシーズンを迎え、山間部では杉を伐採した斜面に火を入れる光景があちこちで見られる。
同市田川地区では古くから、杉を伐採した跡地を林業者から借りて焼き、カブの種をまき、秋に収穫して林地を返すのが伝統だ。
JA鶴岡田川焼畑赤かぶ専門部(部会員22人)班長の伊藤英夫さん(77)=同市少連寺=は21日朝、同市田川・蓮花寺の約10アールで焼き畑を行った。一昨年に杉を伐採した跡地で、先月下旬から杉の葉などの「焼き草」を集め敷きならすなど準備をしてきた。
この日は仲間や手伝いのJA職員、合わせて6人が参加。午前8時ごろ、斜面の上端から火を入れた。燃えている焼き草を鉄製の熊手で動かし、火を徐々に下ろしていった。斜面には横一列に赤い炎が立ち上り、周囲は白い煙に包まれた。
伊藤さんは「焼き畑で育てたカブは歯触りや色も良く、おいしい。伝統を守り、おいしいカブを作り続けたい」と話した。見学に訪れた市立農業経営者育成学校SEADS研修生の小野翔大さん(20)=神奈川県出身=は「焼き畑を見たのは初めてで、とても新鮮。現場に来ると、生産者のこだわりや苦労を肌で感じ、とても勉強になる」と話した。
同JA生産振興課によると、田川の専門部は今年、計107アールの焼き畑で赤カブを育て、10月初旬から7―8トン程度を収穫。主に市内の漬物店に卸し、甘酢漬けに加工されるという。
2020年(令和2年) 8月22日(土)付紙面より
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珠算・書道教室、学習塾などを展開している酒田総合学園(酒田市北新町一丁目、佐藤真由美学園長)でこのほど、そろばんの珠を使ったゲーム大会「アバカスチャレンジ2020」が開かれ、学園生たちがユニークな3種目に挑戦した。
新型コロナウイルス感染症の影響により、珠算界では各種大会・検定の中止・延期が余儀なくされている。そんな中、珠算教室に通う学園生のモチベーションを保ち、よりそろばんに親しんでもらおうと、そろばん製造・卸などの「雲州そろばん協業組合」(島根県出雲市)から制作の過程で出る規格外となったそろばんの珠を数多く譲り受け、「―チャレンジ」を初めて企画した。
「アバカス」は英語でそろばんの意。今回、学園が用意したゲームは▽30秒間でいくつの珠を積み上げることができるか競う「そろばん珠タワー」▽「そろばん珠20個つかみ取り」▽時間内にひもに通した珠の数を競う「そろばん珠ひも通し」―の3種目。庄内地域一円に広がる9つの珠算教室で学ぶ園児、児童、生徒計約100人が挑んだ。このうち「―タワー」では、普段からはじいているとはいえ、どの学園生も積み上げるのは初めての経験。悪戦苦闘しながら次々と重ねていった。
各学年のトップには夏らしく花火セットが贈られた。同学園では「学園生からは『またやりたい』という声も上がり、やって良かったと思う。中には『家でもやりたい』と大会で使用した珠を持ち帰る子も。このような機会を通し、そろばんにより親しみを感じてもらえたら」と話した。