2020年(令和2年) 8月25日(火)付紙面より
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鶴岡市の姉妹都市である米国ニュージャージー州ニューブランズウィック(NB)市に対し、鶴岡・NB友好協会は「山形から世界へ ワン・ハートプロジェクト」の第2弾として、市民が作った折り鶴と布製マスクを贈る。22日には同市の荘内神社で祈祷を受け、改めて新型コロナウイルス感染症拡大鎮静の祈りを込めた。
両市は、庄内藩士で後にニューヨーク総領事などを務めた高木三郎がNB市のラトガース大で学んだ縁で1960年6月、姉妹都市の盟約を締結。60周年の今年は鶴岡から市長や中学生が訪問する予定だったが、新型コロナの影響で中止。鶴岡の友好協会は米国の感染者数が世界最多であることを踏まえ、お見舞いと応援の気持ちを伝え心と心の結び付きを強めようと先月11日、プロジェクト第1弾として市民手作りと、賛同した鶴岡シルク(大和匡輔社長)の布マスク計60枚をNB市に贈った。
第2弾では鶴岡警察署や鶴岡高等養護学校、鶴岡商工会議所、鶴岡青年会議所など各種団体の協力を得て、罹患(りかん)者の回復を願う折り鶴1803羽と、マスク170枚を作った。市役所では1階ロビーの特設コーナーで、多くの市民に折り鶴を作ってもらった。
22日朝、荘内神社で行われた祈祷には、鶴岡・NB友好協会の佐藤公力会長(57)やプロジェクトの中心メンバーら13人が参列。贈る折り鶴とマスクを祭壇に上げ、祈祷を受けた。
佐藤会長は「コロナが世界の問題となる中、心と心の結び付きを強め、共に乗り越えていきたい。若い世代が賛同し、友好の歴史を伝えていこうという動きがうれしい」、プロジェクトの中心になっている長南雄太幹事(27)は「今年4月に幹事になるまで、両市の関係を知らなかった。同様の人はNB側にも多いはず。自分のできることで関わり、お互いを知るきっかけになれば」とプロジェクトへの思いを語った。
プロジェクトでは第3弾として来月5日ごろの完成を目指し、「ワン・ハート」をテーマにした動画を制作中で、完成後はユーチューブを通じ両市の市民らに見てもらうという。
2020年(令和2年) 8月25日(火)付紙面より
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全国の合唱コンクールに入賞する常連校で知られる鶴岡北高校(佐賀井仁校長)の音楽部(部員24人)は23日、鶴岡市の荘銀タクト鶴岡で定期演奏会を開いた。学校が市と調整を重ねた新型コロナウイルス感染症対策を行いながら、部員は会場いっぱいに“鶴北サウンド”を響かせた。
今年は新型ウイルスの影響でコンクール開催が軒並み中止の中、同部が2016年に高校全国1位に輝いたNHK全国学校音楽コンクール(Nコン)も中止を決めた。3年生にとって最後の舞台となった今回は、今年のNコン課題曲「彼方のノック」や昨年の第2回東京国際合唱コンクール同声合唱部門で金賞2位を受賞した「山のあなた」など10曲に及ぶ合唱と、ダンスを交えたミュージカル「リメンバー・ミー」を披露した。
「最後の舞台はマスクなしの姿で歌わせたい。自身にとって、もう一つのチャレンジでした」―市では合唱公演の出演者には原則マスクの着用を義務付けているが、顔の表情が見えないなどの支障が出るとして同部の百瀬敦子顧問(61)が市に掛け合い、部員同士が3メートル以上の間隔を空ける条件付きでマスクなしの合唱が実現した。ミュージカルでは演技などで部員間の距離が近くなることからマウスシールドを着用。来場者には最近2週間の健康状態のチェックやマスク着用を呼び掛け、客席は一つずつ間隔が空けられた。
開演前、ステージ裏には部員が集まり、同部卒業生などから届いた応援のメッセージを読み上げて気持ちを一つにした。会場からは一曲ごとに大きな拍手が送られ、ミュージカル終盤では涙ぐむ3年生の姿も。伸びやかな歌声と生き生きした表情が会場を沸かせた。
部長の高橋理夢さん(3年生)は「一言で楽しかった。大会中止が続いたときは部員全員が落ち込んだが、すぐに切り替えて定期演奏会の準備を続けてきた。後輩には自分たちの音楽をつくり上げていってほしい」と後輩へバトンを渡し、舞台を降りた。