2020年(令和2年) 8月29日(土)付紙面より
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若者の意見をまちづくりに反映させる遊佐町少年議会の本年度第2回が27日夜、町議事所で行われ、少年町長の齋藤愛彩さん(羽黒高3年)が施政方針を述べたほか、少年議員らが一般質問、政策提言を展開、時田博機町長はじめ町当局の考えをただすなどした。
少年議会制度は、町内在住の中高生を対象に2003年度にスタート。少年町長や少年議員が定期的に集まり、町当局から示された「まちづくり予算」の使い道を話し合い、これまで通学路にカーブミラーや防犯灯を設置したり、若者を対象にした音楽イベントの開催、町マスコットキャラクターの公募・決定など有効に活用している。
第18期となった本年度は同町内の中高校生17人が参加。6月26日に第1回議会を開催した後、夏季休業中を含めこれまで全員協議会を重ね、今期の政策案を練ってきた。
第2回議会には少年町長、少年議員ら11人と、時田町長、本宮茂樹副町長、那須栄一教育長はじめ町幹部職員が出席。時田町長が「まちづくりの指針として掲げている『オール遊佐の英知の結集』に向け、皆さんのアイデアをしっかりと受け止めたい」とあいさつした後、齋藤少年町長が施政方針演説。「今期は『未来へ巻き起こせ、ゆざムーブメント』をキャッチコピーに掲げた。若者が暮らしやすい遊佐に向け、皆さんと力を合わせて取り組んでいきたい」と述べた。
引き続き行われた一般質問では、町当局に対し「各地区のまちづくり協議会に若い人が参加できるような環境づくりを図って」「積極的に運動してもらうよう児童・生徒の町民体育館の利用料を無料にしては」などと要望。また、独自に展開する「政策」として▽町議会議員や若者団体などとのリモートによる意見交換会の実施・定例化▽町の良いところについて検討する「宝探し」の開催▽少年議会の周知度向上に向けた活動ガイドブックの作成―に取り組むことにした。
時田町長は、サントリー創業者・鳥井信治郎さんの残した名言「やってみなはれ」を引き合いに「多様な意見を提案し合い、議論を積み重ねることでまちは動く。まずは『やってみなはれ』」と激励した。
2020年(令和2年) 8月29日(土)付紙面より
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「庄内産北限のすだち」と銘打ち、県庄内総合支庁が栽培と利用の拡大を目指しているかんきつ類の一種「スダチ」の栽培見学会が25、26の両日、酒田市浜中にある同支庁産地研究室で行われた。栽培に取り組む生産者や利用する側となる旅館、飲食店、青果店の関係者らが合わせて約30人参加し、収穫間近となったスダチの栽培状況などを確認。参加した料理人は「スダチは庄内浜の地魚に添えるなど一年を通して使いたい。地元産スダチの生産拡大に大いに期待している」と話した。
同研究室によると、国内のスダチの生産は徳島県が8割を占め、他に大分県や高知県などで生産されている。地球温暖化が進む中、庄内地域での栽培の可能性を探ろうと、同研究室が「北限のすだち」としてブランド化を目指そうと2010年から試験栽培に取り組んでいる。研究室のほ場では成木となった6本の木から、昨季年は計1万1000個が収穫され、庄内地域の青果店などを通じて飲食店や宿泊施設に提供された。
庄内地域では鶴岡市朝日地域、三川町、遊佐町の計11軒の農家が3年前から栽培に取り組んでいる。まだ幼木で本格出荷には至っていない。
見学会は、庄内地域の新たな食材として期待される「北限のすだち」について、理解を深めてもらうとともに、認知度向上を図ろうと、同支庁の「食の都庄内」ブランド戦略会議が企画。 参加者は、研究室のほ場で、たわわに実り収穫間近となったスダチの生育状況を視察し、徳島県より1カ月ほど遅い9月上旬から10月上旬までが収穫期となることや、収穫後に果皮を1週間程度乾燥させ、果汁を搾りやすくする予措(よそ)」の方法などの説明を受けた。栽培を始めた農家の人たちは肥料を与える時期や回数、害虫対策などについて盛んに質問していた。
研究室のスダチを使ったシャーベットとジャムの試食もあり、「爽やかな香りとさっぱりした風味がおいしい」と好評だった。参加した、あつみ温泉たちばなやの齋藤聴取締役料理長(58)は「庄内浜の焼き魚やお造りに添えたり、鍋料理に使ったりと利用幅は広い。地元産『北限のすだち』として地産地消が進めば、お客さんからも喜ばれる。ぜひ、生産量を増やしてほしい」と期待を込め話した。