2020年(令和2年) 9月13日(日)付紙面より
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災害発生時に住民ニーズの把握、ボランティアの受け入れ・調整、資機材の提供などを繰り広げる「災害ボランティアセンター」の設置・運営に関する訓練が11日、酒田市地域福祉センターで開かれ、同市社会福祉協議会(社協、阿部直善会長)と市の職員が講義とワークショップを通じて一連の流れを確認した。
災害ボランティアセンターに関し、同市は必要性を判断した上で市社協に設置を申請。市社協が開設・運営を担い、市は活動を支援することとしている。同市での設置はこれまでないものの、県社協によると、今年7月の豪雨災害時、県内では7市町村で開設されたという。市内でも地震や風水害が相次いで発生していることを受け、市社協は開設・運営の習熟を図ろうと毎年、訓練を実施。阿部会長はじめ市社協、市の職員計約40人が参加した。
最初に県社協の横尾晃地域福祉主査兼地域福祉係長(県ボランティア市民活動振興センター長)が「災害ボランティアセンターの基本的理解について」のテーマで講義。コロナ禍におけるボランティアセンター設置・運営について「被災者のニーズに基づき、感染症予防の専門家の意見を加え、行政と協議しながら判断してほしい。地元の幅広い関係者に参加を呼び掛けたり、事前申し込み制を導入するなど不特定多数のボランティアが訪れない工夫を」などと述べた。
その後、「記録的な大雨で最上川が氾濫し、市内流域では浸水被害が発生」という想定で参加者が6グループに分かれ、ボランティアセンターの具体的な設置個所、レイアウト、資機材の配置箇所などをワークショップ形式で検討した。阿部会長は「大規模災害発生時には通常の業務とともに、ボランティアセンター運営にも従事しなければいけない。このような機会を通し習熟を図りたい」と話した。
ボランティアセンター設置・運営訓練を前に、市社協は大規模地震発生を想定した避難訓練も行い有事に備えた。
2020年(令和2年) 9月13日(日)付紙面より
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鶴岡市の姉妹都市・米国ニュージャージー州ニューブランズウィック(NB)市と交流する鶴岡・NB友好協会(佐藤公力会長)が制作した動画「One Heart?keyword for the future」の発表会が12日、同市の出羽庄内国際村で開かれた。NBの市民向けに、心を一つにしてコロナ禍を乗り越えていこうという思いを込めて作ったオリジナル曲を、多彩な市民のメッセージとともに紹介したもので、同日から動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信された。
今年は姉妹都市盟約60周年を記念し、市長や中学生が訪問する予定だったが、コロナ禍で中止。NB友好協会では会えなくても心を一つにして困難を乗り越えようと、「One Heart project」として市民の協力で手作りマスクや千羽鶴を贈った。
今回の動画はプロジェクト第3弾で、長南雄太幹事(27)=同市日吉町、食肉販売業=を中心とする20、30代の若者7人が6月1日から制作開始。佐藤会長らがかつて作ったオリジナル曲「One Heart」をアレンジし、自分たちでギター演奏や歌を担当して8月22日に酒田市内のスタジオで録音。並行して市内の青果店や菓子店、病院、警察、消防など約40の職場で総勢約80人を撮影。曲に合わせ、市民が「One Heart」「Love」などのメッセージボードを掲げる様子を、5分30秒の動画にまとめた。一般社団法人アマゾン資料館の山口考彦代表(同市陽光町)が英訳した歌詞を添えた。
発表会には関係者約20人が参加。佐藤会長は「動画を作ることは最終目的ではない。心を一つにして、この『世界難』を乗り越える行動を起こそう」とあいさつ。スクリーンに動画が写されると、熱い思いを受け取るように真剣に見入り、終了とともに大きな拍手が湧き起こった。
長南さんは「鶴岡とNBの関係を知らない人も多く、鶴岡の、特に若い人たちにも見てもらいたい。NB側の反応も楽しみで、英語版の動画制作といった展開になればうれしい」と話していた。