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2020年(令和2年) 9月2日(水)付紙面より

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新たな見守り体制 「QRコードシール」サービス導入 発見者と家族つなぐシステム

 このシールのことを知って―鶴岡市は認知症などを理由に行方不明の心配がある同市在住者の早期発見・保護につなげようと、万一の際に発見者と行方不明者の家族がやりとりできる仕組みの備わったQRコードが付いたシールの配布を始めている。高齢者が身に着ける物などに貼るもので、市では市民への周知と各地域の包括支援センターや警察などと連携して地域の新たな見守り体制を築きたいとしている。

 シールは医薬品卸売販売などを行う東邦ホールディングス(東京)が提供する認知症高齢者保護情報共有サービス「どこシル伝言板」を利用したもの。8月6日時点で全国27都府県100市町村、東北においては秋田、岩手、宮城県が導入しており、本県では鶴岡市が初。市では同1日からサービスを開始し、現在利用者は数人という。

 サービスの導入には、市と警察に高齢者等の捜索時に必要な情報を事前に登録しておくことで行方不明者の早期発見につなげる狙いがある。シールの存在や意味を知ってもらうことで地域に見守りの目が生まれ、声掛けしやすい環境づくりを目指す。

 シールの仕組みは、発見者がスマートフォンなどでQRコードを読み取ると専用伝言板につながり、当事者家族に発見情報が通知され、現在地や健康状態などを知らせることができるもの。発見者には当事者家族が事前に登録した既往歴や保護時の注意点など情報が表示される。互いに匿名でやりとりでき、個人情報の開示も不要。相談や問い合わせは住んでいる各地域の包括支援センターや市長寿介護課高齢者支援=電0235(29)4180=へ。

 また、27日は市第六学区コミュニティ防災センターで、同学区コミュニティネットワーク(佐藤健理事長)が主体となって市長寿介護課や鶴岡警察署、金融機関などが集まった情報交換会が開かれ、シールの活用や仕組みを確認。署員による認知症高齢者への声掛け対応訓練では、署員扮(ふん)する高齢者に参加者が声を掛けたり、警察署へ通報する訓練などを実践した。

鶴岡市が認知症などを理由に行方不明の心配がある人に配布を始めたシールの見本。折り鶴が目印だ
鶴岡市が認知症などを理由に行方不明の心配がある人に配布を始めたシールの見本。折り鶴が目印だ

シールのQRコードを読み取ると表示される専用伝言板のサンプル画像
シールのQRコードを読み取ると表示される専用伝言板のサンプル画像


2020年(令和2年) 9月2日(水)付紙面より

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ワインツーリズムに大きな可能性 酒田、鶴岡のワイナリー3カ所視察

 庄内産ワイン振興プロジェクト会議(高橋幸司会長)の視察が31日行われた。県庄内総合支庁に事務局を置く同会議が主催したもので、酒田市黒森・楯の川酒造ワイナリー、同じ地区内の日向エステート・ワイナリーと鶴岡市下川の窪畑ファームの3カ所を回った。

 そのうちロケーションの良さで注目を集めたのが窪畑ファームだった。15アールのヤマ・ソービニオン種のブドウは実も大きくなって、収穫を待つが、湯野浜温泉街に近く、リゾートマンションが隣接している場所にある。「建設会社の下部組織としてのワイン参入で、試行錯誤の最中です」と山本学農場長は話したが、小関敏彦特別顧問(県酒造組合)は「立地条件がいいですね。温泉の観光と一体化したワインツーリズムは相乗効果が望めるわけだし、大きな可能性がある」と話した。

 ただその後のミーティングで特別顧問は注意点も語った。今年4年目を迎える振興会議だが「夢も大きくなるが、行き当たりばったりではダメ。利幅、卸、生き残りを懸けて、しっかりした計算が必要。庄内ではどんな品種が合うのかなど、互いに協力し合い、悩む面を互いに少なくする努力を」と話した。3事業者に加え月山ワイン山ぶどう研究所、エルサンワイナリー松ケ岡の計5カ所の会員同士の共同作業も促していた。

 前回の会合では小規模新規参入者のハードルを下げるため、ワイン特区申請の可能性が協議されたが、5事業者は中規模以上のため、先送りされることになった。今後「食の都庄内」ブランド推進協議会の事業として、庄内産ワインのさらなるPRを実施していくことも申し合わされた。

 高橋会長(鶴岡高専校長) 今週はエルサンワイナリーの発表会もあるし、今後も5事業者が横の連携を取りながら、庄内産ワインの品質を高めてほしい。もちろん小規模参入者も待っている。いろんな取り組み方があっていいと思う。

リゾートマンションがすぐ望める窪畑ファーム。ワインツーリズムには格好の場所
リゾートマンションがすぐ望める窪畑ファーム。ワインツーリズムには格好の場所



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