2020年(令和2年) 9月3日(木)付紙面より
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鶴岡市と財務省山形財務事務所は1日、国の「鶴岡第2地方合同庁舎」の整備に向け、同市の市街地にある市有地と国有地の交換契約を締結した。国が同市馬場町の旧荘内病院跡地に建設する同庁舎は2022年度に完成予定となっている。
交換した土地は、市有地の同病院跡地約3900平方メートルと、ともに泉町にある国所有の山形地検鶴岡支部・区検敷地(約1900平方メートル)、鶴岡税務署敷地(約1800平方メートル)。国による評価に伴い、地価の差額分の360万円を市に支払う。
鶴岡第2地方合同庁舎には地検鶴岡支部・区検、鶴岡税務署、鶴岡公共職業安定所(道形町)の同市内にある3つの機関が入るほか、市が災害時に市役所本庁舎の防災機能を補完する防災資機材庫を合築する。建物は鉄筋コンクリート造り3階建て、延べ床面積約3500平方メートル。総事業費は約14億6500万円を見込む。本年度から基礎工事などを行い、22年度にかけて建設される。
国土交通省東北地方整備局営繕部は施設の設計者選定に当たり、「城下町の歴史を感じる、鶴岡らしいデザインによる施設整備」など3つをテーマとして設計業務委託の公募型プロポーザルを実施。城下町の地域特性と歴史的景観に配慮し、1階南側の歩道そばには、近くにある国指定重要文化財「旧風間家住宅丙申堂」にも残る「通り土間」が設けられ、その一角に多目的トイレとベンチを配置した休憩スペースを備える。
同市内では山形地方法務局鶴岡支局や庄内労働基準監督署などが入る鶴岡合同庁舎(大塚町)に次ぐ国の合同庁舎となる。市は土地交換で取得した国有地のうち鶴岡税務署敷地について、老朽化している市立荘内看護専門学校の移転候補地の一つとして利用を検討している。
2020年(令和2年) 9月3日(木)付紙面より
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出羽三山神社(宮野直生宮司)で受け継がれる山伏修行「秋の峰」を締めくくる神事「八朔(はっさく)祭」が31日、羽黒山頂で行われた。例年、同祭では秋の峰で修行を積んだ修行者が夜間に勇壮な火祭りを繰り広げるが、今年は新型コロナウイルス感染拡大防止のため修行への一般参加者を受け付けず、神職などの関係者で行った。
八朔祭は五穀豊穣(ほうじょう)を願うとともに、擬死再生の行に臨む修験者たちが生命を得て生まれ変わるための自身の葬儀ともされる。同神社によると、秋の峰に一般参加者を受け付けなかったことは、修験道廃止令の明治期と戦時中の1945年を除いて初めてという。
同日は神職と山伏およそ30人で日中に神事を行った。定刻を迎えると蜂子神社前の護摩壇(ごまだん)では火祭りの大柴燈祭(だいさいとうさい)が行われ、燃え盛る火に向かって五穀豊穣のほかに世界平和やコロナ終息、天下泰平など全国の信者から寄せられた願いが読み上げられた。
同神社の吉住登志喜禰宜(ねぎ)は「今年はコロナ禍で一連の行事ができなかったが、国民にとって、世界の人にとってもきちんとした五穀が実ることで一日も早く安泰な生活が取り戻せるように願いを込めた」と話した。