2020年(令和2年) 9月5日(土)付紙面より
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庄内地方は4日の明け方、北部を中心に1時間で100ミリを超す大雨となり、気象庁は酒田市と遊佐町に記録的短時間大雨情報を発表。同市の市街地などで道路が冠水したほか、JR羽越本線と陸羽西線で一部列車の運転を見合わせるなど交通に影響が出た。
気象庁によると、この雨は中国東北部から日本海中部に伸びる前線に沿って湿った空気が入り込み、大気の状態が不安定になったため。同日午前6時ごろにかけ、レーダー解析で遊佐町付近で1時間当たり110ミリの猛烈な雨が降ったとみられ、酒田市大沢で93・5ミリ、酒田市で76・5ミリを観測、酒田市では9月の1時間当たり降水量としては過去最高を更新した。同庁は午前6時すぎ、酒田市南部と遊佐町に、数年に一度の大雨に警鐘を鳴らす記録的短時間大雨情報を発表。山形地方気象台は一時、庄内全域や全県に大雨、洪水各警報を発表した。3日午後9時から4日午前11時までの総雨量は酒田市で159・5ミリ、大沢で120・5ミリ、鶴岡市で63・0ミリを観測した。
酒田市では4日朝、東中の口町の県道酒田松山線交差点付近など複数箇所で道路が冠水して一時通行止めとなり、通勤や通学にも影響が出た。松原、浜田、若浜の3小学校、酒田六中は始業時間を遅らせる措置を取った。鶴岡市でも4日朝、各地で道路冠水による通行止めがあり、同市三瀬では土砂崩れが発生し県道三瀬水沢線が通行止めとなった。
JR東日本新潟支社によると、羽越本線では同日明け方からあつみ温泉―酒田間の上下線で運転を見合わせた。このため特急いなほ上下11本、臨時快速列車「海里」が全線運休・区間運休となった。陸羽西線でも古口―余目間で一時、運転を見合わせた。
2020年(令和2年) 9月5日(土)付紙面より
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鶴岡市内の酒蔵とガラス工房がタイアップし、新型コロナウイルスの影響で在庫がはけていない純米大吟醸酒を買うと、疫病退散の御利益があるといわれる「アマビエ」をデザインしたオリジナルの冷酒グラスをもらえるという特別キャンペーンを展開している。
タイアップしたのは、「白露垂珠」の竹の露酒造場(鶴岡市羽黒町猪俣新田、相沢政男代表)と、同市小淀川の「7‐Colors(セブンカラーズ)鶴岡ガラスアート工房」。先月28日から、竹の露の「白露垂珠 純米大吟醸 La SPLENDIDA(ラ・スプレンディダ) 出羽きらり44」(720ミリリットル入り、希望小売価格税別1900円)を1本、または竹の露の製品5000円以上を購入した人に、アマビエの冷酒グラスを1個プレゼントしている。
竹の露は地元・羽黒産の米と、蔵内の地下300メートルからくみ上げる深層水にこだわって酒造りを行っている。今回の酒は本県で育種された酒米「出羽きらり」を、精米歩合44%に研ぎ澄ました直ぐみ中取り生原酒。今春に先行販売したスプレンディダシリーズ第1弾「雪女神50」はすぐに完売となったが、第2弾の「出羽きらり44」は新型コロナによる消費減退の影響をもろに受け、在庫がほとんど残ったままになっていた。
一方、セブンカラーズは、阿蘓淳一さん(48)が経営する工房で、ガラスに絵や名前などを彫刻している。例年なら春の入学や進学、歓送迎会用にガラス製品や酒瓶への名入れの注文などが殺到するが、今年は新型コロナの影響で「その種の注文はほとんど皆無」(阿蘓さん)。竹の露の関係者からタイアップの打診があり、オリジナルの冷酒グラスを製作した。
阿蘓さんは「本来ならすぐ完売するような酒が売れていないと聞き、あらためて新型コロナの影響の大きさを痛感。お互いに助け合い、苦境を乗り越えていけたら」と話した。既に200件近い注文があり、評判は上々という。グラスは限定品で、在庫がなくなり次第終了となる。
酒とグラスを同時に入手したい場合は、竹の露、またはセブンカラーズに事前連絡して取りに行く。セブンカラーズのオンラインショップでも買える。小売酒販店で酒を買い、レシートを持って竹の露、またはセブンカラーズでグラスをもらう方法もある。セブンカラーズでは、冷酒グラスだけでも1個900円で販売するほか、他のガラス製品を含め名入れ(料金別途)も行う。問い合わせは竹の露=電0235(62)2209、セブンカラーズ=同(26)0020=へ。