2020年(令和2年) 9月8日(火)付紙面より
ツイート
食を通じて庄内の海や魚の魅力、海の問題点を考える食のキャンペーン「トトタベローネ」が5日、鶴岡市由良地区を会場に開かれ、庄内浜で捕れる天然のタイをテーマにした親子漁村体験が行われた。
日本財団(東京)が全国展開している「海と日本プロジェクト」の一環で、同市の由良地域協議会「ゆらまちっく戦略会議」などが中心となり、トトタベローネin庄内浜実行委員会(齋藤勝三会長)を組織。キャンペーンは全国展開されており、本年度は庄内を含め全国4地域で繰り広げられる。庄内浜では消費が少なくなってきているタイにスポットを当て、子どもたちにも喜ばれるラーメンの開発・展開を進めている。
今回のイベントは県内の小学5―6年生を対象にし、同日は子どもと大人、計10組が参加。地元漁師や同地区で魚食文化の発信に力を入れる「ゆらまちっく海鮮レディース」などの協力を得て漁業の見学や魚を使った料理体験のほか、海岸で拾ったごみで万華鏡を作るなど、海洋ごみ問題についても学んだ。
このうち、午前中は同市の由良漁港から参加者を乗せた2隻の船が出港、陸から約5キロの漁場まで移動。地元漁師によるごち網漁を見学した。齋藤会長から「ごち」は漁師自らの知恵を使うという「吾智」に由来し、その日の潮の流れや網を海中に落とすタイミングなどで漁獲量が左右されるため、長年の知恵や経験が必要とされる漁であることなどが説明された。子どもたちは船の揺れに耐えながらも間近で見る漁師の迫力ある操業に見入っていた。
帰港後、子どもたちは捕れた約3キロのタイに触れ、色鮮やかな肌や模様に興味津々。実際に包丁を使ってさばき、タイ飯やタイを使った団子汁、さらにカルパッチョに姿を変えたタイを昼食として味わった。
参加した朝暘六小5年、菅原澪さん(10)は「釣りが趣味でタイをさばくのは今回で2回目。中骨を取ったり皮剥ぎしたり、中でもタイをタタキにする作業が一番面白かった。実際に漁を見て漁師さんの大変さがよく分かった」と話していた。
2020年(令和2年) 9月8日(火)付紙面より
ツイート
2023年に暫定供用が予定されている日本海沿岸東北自動車道(日沿道)の遊佐鳥海インターチェンジ(IC、仮称)付近に整備する、「道の駅」を中心とした多機能型休憩施設「遊佐パーキングエリアタウン(PAT)」計画のスタートアップフォーラムが5日、遊佐町生涯学習センターで開かれ、リモート講演、パネル討議などでPATの在り方などを考察した。
日沿道建設促進遊佐町期成同盟会(会長・時田博機町長)が、町、酒田青年会議所(JC、佐藤愛理事長)と共に企画したフォーラム。09年にスタートした酒田みなとIC―遊佐鳥海IC間12キロ整備のうち、酒田みなとIC―遊佐比子IC(仮称)間5・5キロは今年末の供用開始が予定されている。同町で初めて高速道が開通するのを前に、PAT計画の機運醸成を図ろうと、「道路がきた! やるぞ遊佐町!」と銘打って開催した。
この日は町民ら約80人が参加。主催者を代表し時田町長が「本県の北のゲートウエーとして、遊佐の将来を担う施設として、遊佐PATを大切に育てていきたい」とあいさつした後、元国土交通省東北地方整備局長で現在、日本みち研究所(東京都)の専務理事を務める川瀧弘之さんが「これからのみちづくり&道の駅」と題して都内からリモートで講演。「道路整備とともにPATが議論されているというケースはあるようでない。一緒になって進むことで非常に面白いものができそう」と。そして「道路整備は目的ではなく手段。ビジョン・夢を持ち続けてほしい」と呼び掛けた。
引き続き、日沿道建設促進に継続的に関わっている酒田JC理事長を歴任した阿部敦さんの司会で、東北公益文科大教授の温井亨さん(風景計画、まちづくりなど)ら4人が討議。最後は町少年町長の齋藤愛彩さん(18)=羽黒高3年=がメッセージを読み上げて機運を高めた。