2021年(令和3年) 7月9日(金)付紙面より
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東北公益文科大学(酒田市、神田直弥学長)にこのほど、本県としては初となる学生によるゲートボールサークル「ゲートボーラーズ」が発足した。2005年前後をピークに競技人口が減少の一途をたどり、危機感を抱いた県ゲートボール協会(岡崎勝美会長)が「再生プロジェクト普及活動」として公益大に設立を依頼したもの。協会員の指導で、サークルメンバーたちはめきめきと力を付けている。
ゲートボールは、古くから欧州で親しまれてきたスポーツ「クロッケー」を基に1947年、北海道で誕生した。現在は日本はもとより、世界50カ国余で約1000万人が楽しんでいるという。県協会によると、本県では最盛期の05年前後、約1万人もの会員登録があったという。現在はピーク時の20分の1程度の550人まで減少した。県協会の荘司賢悟事務局長は「年配者のスポーツというイメージが強いが、子どもからお年寄りまで誰もが楽しめるスポーツ」と話し、若い世代にゲートボールの魅力を伝えようと、同プロジェクトの一環で公益大に白羽の矢を立てた。
今春に依頼を受けた公益大は、サークル立ち上げに向けてメンバーを募集。1―3年生12人が集まり、今年5月にサークルを設立し同24、25の両日には県協会員を招き座学による研修会を開催、ゲートボールについて理解を深めた。県協会を通じて全国協会からスティック、ボールなどの道具一式の寄贈を受け先月15日、庄内町のほたるドームで初練習を行った。
練習は授業の合間を見ながらほたるドーム、公益大屋内練習場脇の芝地などで実施。毎回、岡崎会長、荘司事務局長はじめ協会員4、5人が訪れ、手取り足取り熱心に指導。サークル代表の大場里瀬奈さん(19)=1年=は「興味を持ったものは全て体験しようと思い、参加した。やってみると楽しい」と。サポートしている協会員たちも「孫の成長を見ているようでうれしい」と話す。
ゲートボーラーズは現在、メンバーを募集中。今月24日(土)にほたるドームで開かれる庄内大会へのエントリーを検討しているという。荘司事務局長は「老若男女が一緒に楽しめるゲートボールの魅力を伝えたい」と話し、さらに県内一円の小学校―大学への普及を図っていく方針。