2021年(令和3年) 7月11日(日)付紙面より
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東京五輪ホストタウンの鶴岡市で事前合宿を行っている東欧モルドバ代表のアーチェリー選手たちと、同市在住のアーチェリー女子日本代表の中村美樹選手(ハードオフ、鶴岡工業高出)の公開練習が9日夜、同市小真木原公園の練習場で行われた。五輪では夜間の試合開催もあり、本番を想定した試合形式の練習で70メートル離れた的の中心の10点を射るなど、それぞれが五輪選手の実力を見せつけた。
公開練習は照明設備を使って行われた。モルドバ代表は女子のアレクサンドラ・ムルカ選手と男子のダン・オラル選手。2018年の全日本学生個人選手権を制した同市出身の近畿大4年、石川竜也選手(鶴岡南高出)も加わり、男女混合戦と男女別の個人戦を繰り広げた。断続的に雨が降る難しいコンディションの中、高得点を続けた。
練習後、中村選手は「最高のステージを整えていただき感謝しています。ただ、きょうは納得のいく点数ではなかった。本番までの2週間さらに練習を重ね、必ず勝ち上がりたい」と意欲を見せ、モルドバの選手たちは「(夜間で雨のコンディションは)五輪で役立つ貴重な経験ができた」と語った。
公開練習は市内の関係者や高校のアーチェリー部員など約50人が観覧した。鶴岡四中時代から競技を始めた鶴岡高専1年の浅黄倖太さん(16)は「どの選手もフォームが安定していて悪いコンディションの中でも高得点を出し、やっぱりオリンピック選手はすごいなと思った」と話した。
鶴岡産シルクのスカーフとチーフ
モルドバ選手団身に着け開会式入場
東京・国立競技場で23日夜に開かれる東京五輪開会式で、鶴岡市がホストタウンとなっている東欧モルドバの選手団が、鶴岡産シルクのスカーフとチーフ=写真=を身に着けて入場行進する。選手団の公式ユニホームに採用されたもので、鶴岡市の市章もデザインされた。松ケ岡開墾150年の記念の年に、鶴岡産シルクが世界の人々にアピールされる。
ホストタウン交流を深める中で、モルドバ側から提案があったという。鶴岡産シルク製品の開発、販売を手掛ける鶴岡シルク(大和匡輔社長)とモルドバ五輪委員会が打ち合わせを重ね、モルドバの国旗の青、黄、赤3色をモチーフに紺色の公式ユニホームに映えるようデザインを決めた。
スカーフ、チーフとも四隅に鶴岡市章と共同ホストタウンの西川町章、モルドバ五輪委員会のマークを配し、東京五輪のホストタウンをきっかけに育まれた友好の証しが記されている。
鶴岡ホストタウン推進委員会(委員長・皆川治市長)が、スカーフとチーフの50セットをモルドバ五輪委に贈った。モルドバで6月に行われた五輪出場選手団の結団式の際、公式ユニホームとともに鶴岡産シルクスカーフとチーフも発表、紹介された。