2021年(令和3年) 1月20日(水)付紙面より
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酒田市の離島・飛島の全世帯宛てに昨年暮れ、県産米10キロ(雪若丸、つや姫各5キロ)が届いた。送り主は県。米が入った段ボール箱には「県では、飛島にお住まいの皆様の生活を支援するため県産米をお配りすることにいたしました」などと書かれたメッセージも添付されている。県による飛島への米配布は今回が初めてで、中には「なぜ、この時期に」と戸惑いを見せる島民もいる。
米が届いたのは昨年12月29日。飛島の現在の世帯数に合わせ、米が入った段ボール箱114個が定期旅客船「とびしま」で到着。勝浦、中村、法木集落の3区長がそれぞれ集落の世帯分、自治会館まで運んだという。
段ボールに入っていたメッセージには「この荒天により、定期船『とびしま』の欠航が続き、買い物や通院などの日常生活にご不便な毎日をお過ごしのことと存じます」と。続けて「本県唯一の離島である飛島の皆様が、今後とも安心して生活できるよう、定期船航路の維持や津波防災対策などに酒田市とも連携しながら取り組んでまいります」と、今回の米配布があたかも市と連携して実施したかのような言い回しになっている。
県防災危機管理課は「昨年12月14日以降、連続8日間にわたって定期船が欠航し、年末年始も荒天が予想されたことを受けて『備蓄用に』と実施した」と話すが、市によると、島民の多くは市内中心部にも自宅を持ち、年末年始を含めて冬季は島を離れる人がほとんどという。そのため現在も自治会館には残された米が積まれている。中には突然の配布を不安がり、「島を離れている時に『届いた』という連絡を受けた。欠航が続いているためと書いているが、『何でこの時期に』という思いだ」と、その実効性・目的を疑問視する島民もいる。
2021年(令和3年) 1月20日(水)付紙面より
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厳冬期にソバの実を冷たい流水に浸して風味を引き出す寒ざらし作業が16日、鶴岡市温海地域の越沢集落で始まった。商標登録された地域の在来作物「越沢三角そば」の実、約100キロが冬の冷たい水にさらされ、熟成が進んでいる。
2016(平成28)年に在来作物と確認された越沢三角そばに付加価値を付けようと、翌17年から「まやのやかた越沢三角そば生産組合」(野尻善共組合長・組合員14人)が主体となって取り組んでいる。同組合によればソバの苦味が取れて甘味が増し、ナッツのような香ばしい風味になるという。
16日は小雨の中での作業となり、集落内にある越沢センター近くを流れる摩耶山系の流水の中に、ソバの実が入った網袋を16袋浸していった。2週間ほど水に浸した後、さらに2週間軒下につるして寒風にさらし、最終的に天日干しにして乾燥させる。実をぬれたまま放置すると芽が出てしまい、水分量が高いと製粉できなくなるため、冬の限られた日照時間での乾燥は重要。
今回、寒ざらしにしたソバの実で約600食分の提供を見込んでおり、2月いっぱいまで冬季休業中の同集落にあるそば処(どころ)「まやのやかた」では4月ごろから提供を始めたいとしている。野尻組合長は「今年は積雪量が多く山菜の採れる時期も遅くなると見込まれるので、山菜のおいしい時期とともに寒ざらしそばが提供できると思う」と意気込む。今後、同地域のあつみ温泉「萬国屋」での提供も見込まれており、地元の名前を冠した特産品をきっかけに、地域活性化につなげたいとしている。
2021年(令和3年) 1月20日(水)付紙面より
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庄内地方の冬の味覚「寒ダラ汁」をPRするため、音楽グループ「ゴダイゴ」のボーカリストで作詞作曲も手掛けるタケカワユキヒデさんが「酒田寒ダラ大使」に委嘱され17日、酒田市のマリーン5清水屋で就任式が行われた。ゴダイゴのヒット曲「ガンダーラ」に掛けた「寒ダラ大使」。タケカワさんは委嘱を快く引き受け、「私といえばガンダーラ。寒ダラ汁を全国にPRし盛り上げていきたい」と話した。
国の「GoTo商店街」事業の一環として市内の中通り・中町中和会両商店街振興組合が企画。両振興組合などは毎年この時期「酒田日本海寒ダラまつり」を開催していたが、今年は新型コロナウイルスの影響で中止となり、就任式のみを実施した。
この日は無観客で行われ、地元FM局が放送。日本料理・分とく山(東京都港区)の野崎洋光総料理長、イタリアンレストラン「アル・ケッチァーノ」(鶴岡市)の奥田政行オーナーシェフが見守る中、中通り商店街振興組合の菅野弘幸理事長がタケカワさんに委嘱状を手渡した。寒ダラ汁を試食したタケカワさんは「完璧だった。汁を一口飲んだだけでそのうまさが分かる」と目を丸くした。
タケカワさんはその後、ミニライブを行い、ピアノで「ガンダーラ」「ビューティフル・ネーム」などを披露した。