2021年(令和3年) 10月9日(土)付紙面より
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惜しまれながらも今年7月、71年に及んだその歴史に幕を下ろした酒田市中町二丁目の老舗デパート「マリーン5清水屋」エリアを核とした中心市街地の再生に向け、地元経済界の関係者が7日、協議会を設立した。清水屋は現在、清算手続きが進められており、協議会では速やかな手続きなどを破産管財人に対して要望していく他、一帯のにぎわい創出を目指す計画の策定を図る。
中心市街地のランドマークとしてそびえ、長く市民に親しまれてきた清水屋は7月15日、経営悪化に伴い営業を停止。地裁酒田支部から8月13日、破産手続き開始決定を受けて現在、破産管財人による手続きが進められている。
新たに立ち上がった組織の名称は「旧清水屋エリアを核とした中心市街地再生協議会」。構成メンバーは同市の建設会社「丸高」の関連会社で不動産を扱うアセット山形、酒田まちづくり開発、中町にぎわい協議会、酒田駐車ビルの各代表者。オブザーバーとして丸山至市長、弦巻伸酒田商工会議所会頭、地元の商店街振興組合理事長と共に、市とパートナーシップ協定を結ぶ良品計画(東京都)が加わった。
この日、市役所内で行われた設立総会では、協議会長にアセット山形の高橋剛社長を互選。目的として▽破産管財人などに対する清水屋の破産処理に関する要望▽旧清水屋エリアを核とした中心市街地の再整備計画▽中心市街地活性化策―を掲げた協議会規約を承認した。
来月に予定している次回会合を前に、この日承認された「金融債権の速やかな処理の働き掛け」「破産手続きに対する配慮」から成る要望書を破産管財人に対して提出する。高橋会長は「清水屋(酒田セントラルビル)だけでなく、周辺の建物も老朽化が進む。これを良い機会と捉え、スピード感を持って新たな中心市街地の構築に向けた再整備計画を策定したい」と話した。