2021年(令和3年) 4月3日(土)付紙面より
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鶴岡市の新たなごみ焼却施設(宝田三丁目)が完成し、1日に開所式が行われた。民間事業者に設計、建設、運営を一括発注するDBO(デザイン・ビルド・オペレート)方式を初めて導入して市が整備した。ごみの焼却で発生する熱を利用して発電も行い、施設内で活用するほか、売電による市内小中学校への電力供給にも役立てる。
1989(平成元)年から稼働していた旧施設の老朽化に伴い、管理棟や駐車場があった場所に鉄骨と一部鉄骨鉄筋コンクリート造り地上5階、地下2階建て、延べ床面積約8000平方メートルの新施設を整備。煙突の高さは59メートル。旧施設と同じストーカ式燃焼炉2炉(1日処理能力計160トン)を備えた。余熱利用の蒸気タービン発電機(3020キロワット)を設け、約6700世帯分の電力に相当する年間約2万メガワットを発電。3分の1を施設内の電力や敷地内のロードヒーティングに利用するほか、残り3分の2を売電する。売電収入は年間2億円弱を見込んでいる。
建設事業費は127億9476万円で、設計・施工は日立造船・佐藤工務・鶴岡建設特定建設工事共同企業体が担当。本年度から20年間の運営業務は、日立造船グループを中心に設立した特別目的会社「つるおかエコ・アース」が85億2830万円で担う。
試験運転を経て供用開始となった1日に開所式が行われ、関係者約40人が出席。代表者が完成を祝いテープカットし、皆川治市長が「鶴岡市民、三川町民の衛生的な暮らしを支える中核施設。電力の地産地消にも取り組み、資源循環型のエネルギー拠点として運営する」とあいさつ。処理を委託する阿部誠三川町長は「地域の環境保全のため、町としてもごみ減量などにしっかりと責務を負う」と来賓で祝辞を述べた。
新施設には環境学習やトリックアート、発電体験、焼却炉内の様子を体験する各種コーナーが設けられ、一般の施設見学は5月10日(月)からの受け入れを予定している。旧施設は本年度に設計を進め、今後解体する。
2021年(令和3年) 4月3日(土)付紙面より
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鶴岡市が同市堅苔沢の旧小堅小学校で進めていた小堅コミュニティセンター改修工事が完了し1日、移転開所式が同所で行われ、関係者が入り口前でテープカットし新たなスタートを祝った。
旧小堅コミセンは1974年、小波渡集落の国道7号沿いに建設。老朽化していた上、海抜6・1メートルという立地も防災面で課題だった。一方、小堅小は2015年4月、由良、三瀬両小と統合して豊浦小(校舎は旧三瀬小)となったことに伴い閉校。住民の要望や海抜16・2メートルという立地も踏まえ、市は18年1月にコミセンに改修する方針を決定。19年度に設計、20年度に改修を行った。事業費は2億5840万円。
敷地はグラウンドを含め8417平方メートル。鉄筋コンクリート造り3階建ての建物のうち、活用するのは1、2階の延べ床面積約2000平方メートル。うちコミセンは1階と旧体育館部分で、小堅地区自治振興会(本間仁一会長)を指定管理者として管理を委託する。同振興会の職員3人が常駐する。2階南側(2教室と和室1室分)は市が同振興会に直接貸与し、地域内外の人と交流する「シェアルーム」として活用していく。2階北側は市の文書保管庫、3階は閉鎖して使用しない。
コミセン部分は、旧職員玄関を入り口に、旧職員室を事務室に、各教室を研修室などに改装したほか、入り口にはスロープを設けるなど、バリアフリーにも配慮した。防災資機材庫も設けた。調理実習室、会議室、談話室、研修室2室、多目的ホール(旧体育館)の6室は住民に有料で貸し出す。駐車スペースは約40台分。
この日、入り口前で行われた移転開所式で皆川治市長は「関係人口の拡大や地域の活性化に期待。地域活動の拠点として有効活用を」とあいさつ。来賓として自治振興会の本間会長が「人口減少が進み、空き家も増える中、ここを使い、さらに住みよい地区にしていきたい」と有効活用への決意を述べた。その後、堅苔沢、小波渡の両自治会関係者らを交えテープカットし、移転開所を祝った。