2022年(令和4年) 6月8日(水)付紙面より
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土手の散策 楽に楽しく 車椅子もスムーズ
鶴岡
足の不自由な人でも土手の散策が楽しめるように―。国土交通省・酒田河川国道事務所は鶴岡市の赤川河川敷の土手に車椅子や自転車がスムーズに通れる「スロープ」を整備した。住民代表を招いた視察会が5日、現地で行われ、車椅子利用者は「傾斜が緩やかで楽に通れる」と感想を語った。
国道112号線沿いに面する土手の2カ所に設けたスロープは、つづら折り式と直線式。勾配を5%にして障害を持つ人や幼児、高齢者が容易に土手(高さ約4メートル)の上まで行けるよう昨秋から酒田河川国道事務所が整備を進めてきた。幅員は2メートル。滑らないようざらざらとしたアスファルトを採用し、夏の日差しでも熱くならないよう樹脂で覆った手すりも備え付けた。
視察会には住民代表ら関係者約20人が参加。酒田河川国道事務所の高野明所長が「安全で利用しやすく、景観にも配慮したスロープを整えた。皆さんから忌憚(きたん)のない意見を頂き今後の施設整備と設計に反映させたい」とあいさつした。
スロープを車椅子で通った鶴岡市身体障害者福祉協会理事の阿毛稔さんは「私たち障害者にとって高い土手は、大きなバリアが立ちはだかっているようなもの。道幅も広く安心して通れることを実感した。ありがたい」と話した。
酒田河川国道事務所では年度内に土手から河川公園側に通じる直線タイプのスロープも新設する。