2022年(令和4年) 8月2日(火)付紙面より
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酒田市幸町一丁目のJR酒田駅前で進めてきた第一種市街地再開発事業「光の湊」が竣工(しゅんこう)し31日、グランドオープンした。1997年8月の旧ジャスコ酒田駅前店撤退から四半世紀。市立図書館を中心とした公共施設「ミライニ」、ホテル、レストランなどが入った複合施設、土産販売店も入った立体駐車場、分譲マンション、広場、バス停留所で構成する酒田の新たな「玄関口」の完成に、駅周辺のみならず市全体のにぎわい創出、活性化に向けて期待が高まる。
市民が集い若者が活躍できる施設に
同事業は、市と西松建設の共同出資による特別目的会社「光の湊」(同市、平澤資尊社長)が主体となり2017年1月にスタート。酒田駅前の旧ジャスコ跡地を中心とした敷地約1・4ヘクタールで足掛け6年の歳月をかけて整備を進めてきた。
一昨年11月に先行オープンした複合施設棟は鉄骨造り8階建て。公共施設「ミライニ」は、市立図書館の他、憩い・集いの場となる「エンガワラウンジ」、観光案内所、学習室などで構成。月見(同市、白旗夏生社長)のホテル「月のホテル」とレストラン「ALL DAY DINING月のみち」、日新開発(同市、五十嵐渉社長)のレストラン・バンケット「ル・ポットフー」などが入る。
262台の駐車が可能な立体駐車場は今年4月に供用を開始。1階部には庄交コーポレーション(鶴岡市、國井英夫社長)の庄交バスターミナルと庄交トラベルが移転し入居、庄内観光物産館ミライニ店を新たに設置した。居住棟は鉄筋コンクリート造り10階建てで全57戸。延べ床面積約5150平方メートル。
また、一面を芝生で覆ったミライニ広場はウッドデッキ付きで、演奏会なども開催可能。その北側にはJR酒田駅周辺にあるバス停留所をまとめた「酒田駅前バス停留所」を配置し、市乗合バス「るんるんバス」、庄内交通の高速・定期バスが発着する。光の湊全体の事業費は110億円。
ミライニ広場で同日午前、式典が行われ、矢口明子副市長が「酒田駅前の再開発は長年にわたる市民の悲願。皆さんの力添えのおかげで、ようやくグランドオープンすることができた。多くの市民が集い、将来を担う若者たちが活躍できる施設になるよう期待したい」とあいさつ。酒田吹奏楽団の演奏の中、関係者がくす玉を割って祝った。
グランドオープンを記念し同日夕には「光の湊イブニングコンサート」と銘打ち、酒田フィルハーモニー管弦楽団がミライニ内に華やかな音色を響かせた。今後も月末を中心に演奏会を開催。次回は8月27日(土)午後5時半からで、東北公益文科大アカペラサークル「まごペル」が歌声を披露する。