2022年(令和4年) 8月31日(水)付紙面より
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齋藤 眞紀子(まきこ)さん
「3歳か、4歳ごろからでしょうか」―。剣道一家に育ち、物心が付く頃から竹刀を握っていた。余目中時代は父の指導のもとで全中大会出場の経験を持つ。日本体育大学卒業後、常勤講師として鶴岡工業を経て今年4月、庄内農業高へ。女子剣道部の監督を務める。
今年6月、上山市で行われた全日本女子剣道選手権大会(日本剣道連盟主催)の県予選で延長戦を制して優勝した。「女剣士」の日本一を決める全国大会へ山形代表として出場する。
8年前に50歳の若さで亡くなった父・齋藤道丸さんは前マルミチの社長(現社長は母の真子さん)。三姉妹の二女として生まれた。
道丸さんは、余目中剣道部の指導者を務めていたが「とても厳しかったです。技術的なことよりもまず、あいさつと礼儀をきちんとしなければダメ。道場では鬼のようでしたが、家に戻れば神様でした」と笑う。
道丸さんは1992年に全日本剣道選手権大会(男子)に出場。親子2代にわたってひのき舞台に立つ。
「父は平成4年、私は令和4年の『4』つながりで全国大会に出ることになります。県予選で優勝を決めた6月19日は『父の日』。どこか父親から背中を押されているような気がして―」。県予選で優勝した当日、花を持って道丸さんの墓前に報告した。妹の真椰さん(東京農大3年)も各剣道大会で優勝している実力者。全国大会には真椰さんが付き添い最終調整の練習相手になる。
本番まであとわずか。「全国の強者ばかりですが、今はワクワクした気持ち。常に攻める気持ちを持ち続け、悔いのない試合をしたい。頑張ります」。9月4日、奈良県橿原(かしはら)市のジェイテクトアリーナ奈良。初戦で眞紀子さんは、インターハイ優勝の経験を持つ筑波大生と対戦する。
父と同じ中段の構え。得意の「面」に磨きをかける。昨年は経験したことがないスランプに陥ったが、復活。4月に行われた全国教職員大会の山形県予選でも優勝を果たした。「剣道はメンタル。そして心技体が大切なことをあらためて感じました」。学校では保健体育を受け持つ。庄内町西袋。25歳。