2022年(令和4年) 9月14日(水)付紙面より
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「庄内酒まつり2022」のオンラインイベントが11日、鶴岡市の「黒川能の里・王祇会館」で行われた。昨年11月に鶴岡市に次いで国内2番目のユネスコ食文化創造都市に認定された大分県臼杵(うすき)市の蔵元関係者もオンライン参加し、両市の地酒と食文化を全国に配信した。
この日は、まつり実行委員長で竹の露代表社員の相沢政男さんと、加藤嘉八郎酒造取締役業務統括執行役員の加藤嘉隆さん、渡會本店社長の渡會俊仁さん、庄内酒米研究会研究員の百瀬康昭さん、黒川春日神社下座の上野由部(よしぶ)能太夫(座長)がトークショーを展開。水の質や米の出来具合を見極め、酒のうまみを引き出す醸造技術など日本酒に関する深い話を繰り広げた。
続いて上野太夫が「王祇祭は真冬の祭りのため、漬物、凍み豆腐などの保存食が発展した。酒で体を温めるため、祭り中の1カ月で地酒一升瓶1000本以上は空になる」と、国の重要無形民俗文化財に指定されている農民芸能「黒川能」にまつわる鶴岡市の食文化を紹介した。また「日本酒に合うおつまみは何?」というお題に参加者たちは、庄内浜の刺し身やだだちゃ豆、民田ナスのからし漬けなどの特産品を挙げていた。臼杵市にある藤居酒造の藤居徹社長は「魚の切れ端とおからをあえた『きらすまめし』などが伝統的な郷土料理。臼杵市ではカボスが有名で、薄く切って料理やお酒によく使われている」と同市の食文化を語った。
庄内酒まつりは地酒の魅力を伝えようと、2014年に始まった。今では庄内全酒蔵の地酒が楽しめるイベントとして定着。県内外から大勢の左党が訪れている。これまでは鶴岡市末広町のJA全農山形鶴岡倉庫をメイン会場にしていたが、黒川能の歴史的な背景も伝えようと王祇会館を会場に設定した。