2022年(令和4年) 9月15日(木)付紙面より
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蓮池 未奈(はすいけ みな)さん
本年度の白甕社美術展(8月31日?9月11日、鶴岡アートフォーラム)・一般の部で最高賞の白甕社賞を受賞した。高校生が同賞を受賞するのは4人目で、鶴岡南高生としては初めて。「こんな大きな賞を自分がもらって良いのかと思ったが、今後の自信につながる」と喜びを語った。
美術部所属の2年生。1年時の校内展で自分に納得がいかないまま出品し、それ以来スランプに陥っていたという。「ずっと創作意欲が湧かなくて、7月になってやっと筆を握った」とはにかむ。「絵画教室の先生に勧められ初めて白甕社展に出品して、まさか最高賞をもらえると思わなかった。まだ実感が湧かない」。
今回の受賞作「虎子」は80号と50号のキャンバスで構成。大キャンバスは鉛筆デッサンの自画像を部分的に切り出し貼り付けた「コラージュ」の技法を用い、その下の小キャンバスには油彩で描いた抽象画を置いた。
「作品全体として進路などへの不安を表現した。小キャンバスの抽象画は部屋で横たわる自分の姿をイメージしている」と話す。10代のきらめくような感性が込められた作品は、審査会で「表現の基本であるデッサンを重視しながら、それ以上の何かをつかみ取ろうとする探求心や野心を感じさせる」「若い今だから描ける、今しか描けない作品」と高い評価を受けた。
高校生になって、より多くの絵画に触れる機会を得て思うことは「技術的なものも含め、自分はまだまだ足りないものがたくさんある。もっと頑張らないといけない」。将来の夢はまだ固まっていない。「今はとにかく絵を描き続けたい。美術大に進み、自分の道を探っていければ」。その瞳には無限の可能性が映っている。
よく観る映画のジャンルはミステリー系。伏線が隠されているストーリーが好きという。鶴岡市宝田一丁目在住の16歳。