2022年(令和4年) 9月15日(木)付紙面より
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昨年暮れに鶴岡市由良沖で保護されたウミガメ(タイマイ)が、加茂水族館(奥泉和也館長)で順調に回復している。来館者の関心も高く、幼い子どもを連れた家族は「早く海に戻れる日が来るといいね」と見守っている。
庄内の海岸には、対馬海流に乗って北上し庄内沖まで来たものの、冬の低水温で動けなくなり打ち上げられてしまう(ストランディング)ウミガメがいる。加茂水族館では、地元の漁師や住民が見つけた個体を保護し、体力が戻るまで飼育している。
この10年間で保護されたのは13匹。種類はアオウミガメやタイマイで、その多くが子どものウミガメという。十分に体力が付いたと判断された時、海水温が高い時期を見計らって沖合に放している。
昨年は1年間で3匹保護された。このうち2021年12月7日、由良沖で漁師が仕掛けた網にかかったのは体重7・1キロのタイマイの子ども。冬を迎えて水温が下がり、動きが取れなくなってしまったらしい。「網から外して海に放しても死んでしまう」と漁師が加茂水族館に連絡した。
担当の飼育員が毎日夕方1回、アジやホッケを解凍して食べやすい大きさに身を切り、エサとして与えている。来館者が分かるように水槽のわきには「ストランディングの記録」としてこれまで保護されたウミガメの種類や体重、見つかった場所(鶴岡市湯野浜、加茂、米子、酒田市浜中など)を記している。
飼育課の廣瀬南帆さんは「水温は冬でも20度を下回らないよう保っている。今は、このまま無事に海へ放す時期が迎えることを願うだけ。海の環境を守る大切さと、自然界で生きるウミガメの生態について関心を持っていただければうれしい」と話していた。