2022年(令和4年) 11月4日(金)付紙面より
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世界的に評価が高いアニメーション制作会社「ぴえろ」(東京都三鷹市)の創立者で本年度、酒田市制定「酒田ふるさと栄誉賞」を受けた同市出身のアニメーター・演出家の布川ゆうじ(本名・郁司)さん(75)=東京都=の功績を紹介する「布川ゆうじの仕事」展が3日、同市の酒田駅前交流拠点施設・ミライニで開幕。初日から市民らが訪れ、手掛けたアニメのポスターなどに見入った。
アニメ関連図書を中央図書館へ
布川さんは1965年に酒田商業高(当時、現在の酒田光陵高)を卒業した後、上京しアニメ業界へ。79年に「スタジオぴえろ」(現在のぴえろ)を設立して翌80年、「ニルスのふしぎな旅」でデビュー。これまで「うる星やつら」「幽☆遊☆白書」「NARUTO」「BLEACH」など手掛け、特に「NARUTO」などは「クールジャパン」の象徴として世界的な人気を誇る。これまでに藍綬褒章、日本映画批評家大賞アニメーション功労賞、文化庁長官表彰などを受けた。本年度、芸術や文化、スポーツなどで活躍し、酒田の名声を高めイメージアップに貢献した人に贈られる「酒田ふるさと栄誉賞」を受賞。
今回は、ミライニがぴえろなどの協力で企画。ぴえろ創立前から現在まで手掛けてきたアニメのポスター、セル画、絵コンテとともに、色彩豊かな風刺画など資料約250点をエンガワラウンジに展示。懐かしいところでは「タイムボカンシリーズ」「ハクション大魔王」など、近年では「幽☆遊☆白書」などの番組宣言用ポスターが並び、訪れた人の目を楽しませている。
展示会に合わせ布川さんは「『おそ松くん』の企画術」「ぴえろ大解剖―完全保存版」など自著を含めアニメ関連図書12冊を市立中央図書館に寄贈、自由に閲覧できる他、モニターで常時、布川さんのインタビューを上映している。
開幕を前にセレモニーが行われ、矢口明子副市長が「ここミライニからアニメ文化が発展してほしい」と。本間道幸ぴえろ社長(鶴岡市出身)は「本人のアニメに対する思いを感じてもらえたら」、欠席した布川さんに代わり、静子夫人は「ワクワクしている。両親も近くで眠っているので見守ってくれていると思う」と話した。入場無料。展示は18日(金)まで。