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2022年(令和4年) 11月11日(金)付紙面より

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酒田湊旧回船問屋 「家坂亭」オープン

 江戸期から明治期にかけて北前船の往来で栄えた酒田の繁栄ぶりを今に伝える酒田市船場町一丁目の「旧家坂邸」を活用した「酒田湊旧廻船問屋『家坂亭』」が9日、オープン。亭主を務める小松尚さん(70)=9代小松屋又三郎=の指導で飾り菓子の制作体験ができるほか、月1回のペースで「おしゃべりサロン」と銘打った茶話会を実施。建物内部は自由に見学可能。小松さんは「より具体的なテーマで集客することで、コロナ後を見据えた新たな観光の一端を担いたい」と話している。

 家坂家は江戸後期から明治中期にかけ、北前船舟運で主に米と桐油(とよ)を扱った商家。初代徳兵衛翁は船乗りたちが使う、和紙に桐油を塗った今でいう雨がっぱの製造・販売などで財を得、その利益で京都からひな人形などの美術品を多く購入した。現存する邸宅は、1894年に発生した庄内大地震後、二代徳兵衛翁が建てたもので、1970年頃までは結婚式場や貸席としても利用されたという。

 飾り菓子は両面木型と呼ばれる立体的な形に仕上がる木型を用い、片栗粉やでんぷんなどを樹脂粘土に混ぜて制作するもの。酒田まちづくり開発(同市、西村修社長)が昨年2月に復刻し、土産物として山居倉庫「酒田夢の倶楽」などで販売している。

 家坂邸を活用し同社は今春、「酒田雛街道」に合わせて美しさと繊細さで人気が高かった同市の老舗菓子店「小松屋」の「雛の飾り菓子」制作体験を、店主だった小松さんの指導で実施。期間中、150人余が訪れたという。体験者らの意見を受け、河村瑞賢による西廻り航路開設350年を記念し今回、北前船の往来がもたらした酒田の歴史や生活、文化を広く紹介するとともに、多くの人が気軽に集まり語り合える場にしようと「家坂亭」を開設した。

 小松さんは「日和山小幡楼、SAKATANTOのオープンなどで日和山・酒田港エリアの魅力が高まっている。飾り菓子制作体験を通して人材を集め、後進の育成を図ることができたら」と話している。

 家坂亭の開館時間は午前10時―午後4時。月・火曜休館。入場無料。第1回の「おしゃべりサロン」は下日枝神社の岡部信彦宮司を講師に迎え、26日(土)午後2時から。参加料は500円で、定員は30人(要予約)。飾り菓子の制作体験は水―土曜日午前・午後の2回実施(要予約)、参加料は1500円(サンプル付き)。問い合わせ、申し込みは小松さん=電090(6222)9007=へ。

飾り菓子を手にする亭主の小松さん。制作体験などができる
飾り菓子を手にする亭主の小松さん。制作体験などができる

今春に引き続きオープンした「家坂亭」
今春に引き続きオープンした「家坂亭」



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