2022年(令和4年) 11月12日(土)付紙面より
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酒田警察署(熊坂嘉幸署長)管内の中学・高校の美術部員たちが描いた絵画が酒田市のJR酒田駅地下道の壁面に展示され10日夕、開所式が行われた。鳥海山や白鳥など酒田を象徴するモチーフの作品が並び、明るく華やいだ雰囲気を醸し出している。
2003年に同地下道で発生した恐喝未遂事件を契機に、市と同署が翌年から、駅周辺の環境浄化などを目的に「地下道アートギャラリー」と題して企画。絵画は毎年この時期に更新しており、今年で19回目。酒田、遊佐両地区の中学校8校、高校5校の美術部員が自由なテーマで作成。作品はいずれも縦90センチ、横180センチの大きさ。地下道通路中央の左右の壁面に計13点を展示した。
酒田駅前交流拠点施設「ミライニ」で行われた開所式には、絵画を作成した生徒やJR酒田駅職員、青少年健全育成団体役員らが参加。矢口明子副市長が「中学生、高校生の絵が市民の安全安心を守る素晴らしい取り組み。生徒の絵が市民生活にも大きな影響を与えている」、熊坂署長が「地下道で発生する事件はほとんどなく、生徒の皆さんの作品の力は大きい」と協力に感謝した。その後、地下道前で代表生徒7人がテープカットし開所を祝った。
山居倉庫や最上川、北前船を描いた作品や白鳥の生き生きとした様子を表現したものなど、生徒たち思い思いの酒田を表現した作品が並び、地下道は明るい雰囲気であふれた。教室から見える鳥海山を描いた日下部正武さん(15)=酒田南高1年=は「鳥海山の雄大な姿を見ると明日も頑張れるので、多くの人に見てもらいたいと描いた」と話した。