2022年(令和4年) 11月25日(金)付紙面より
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女性消防吏員の新規採用に向け酒田地区広域行政組合消防本部(日下部進消防長)は23日、女子を対象にした職業体験「ワンデイインターンシップ」を酒田市大町の酒田消防で実施。女性に特化した募集用漫画パンフレット制作・配布に続く第2弾で、管内在住の女子生徒・学生9人が参加。消防ホースを用いて実際に放水体験するなどし、消防業務の一端に触れた。
消防業務の多様化が進み、全国各地で女性消防士が活躍している。酒田消防には200人余の消防吏員が在籍しているが、このうち女性は2人のみ。採用増に向け酒田消防は昨年6月、庁内に若手・中堅職員による採用促進プロジェクトチーム(佐藤義明リーダー、9人)を組織。メンバーは今夏、東北公益文科大学(同市、神田直弥学長)の女子学生5人と共に、募集用漫画パンフレット「女性消防職員のなりかたって知ってる?in酒田」を作成、広く閲覧できるようにし好評を博している。
初めて実施した女子限定のインターンシップは、採用試験受験者数の増加に向けてまずは女子生徒・学生から消防業務に関心を持ってもらおうと企画。中学生5人、高校生と大学生各2人の計9人が参加した。
生徒・学生たちは午前8時半から“業務開始”。防火服に着替えた後、消防車の前で記念撮影に臨み、2班に分かれて消防の各業務を順に体験した。このうち放水体験では、「ホースを伸ばす際は、ボーリングでボールを投げるイメージで」「ホースには向きがある。連結する時はしっかり確認を」「1分間に出る水量は400―500リットル。風呂2杯分」などと指導を受け、実際に水を出した。
「父親が消防士」と言う渋谷杏梨さん(16)=酒田東高1年=は「公務員という仕事にも多少興味がある。放水はけっこう重く、コントロールできなかった」と話した。当初は「消防女子会」と銘打った座談会を実施する予定だったが、新型コロナウイルスの感染急拡大に伴って中止。酒田消防総務警防課は、今回参加した女子生徒・学生の意見を聴きながら来年以降のインターンシップ開催を検討するという。