2025年1月7日 火曜日

文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2022年(令和4年) 12月13日(火)付紙面より

ツイート

新たなシルク産業形成・発展を 鶴岡でサミット 講演や事例報告で学ぶ

 全国各地で蚕やシルクなどに関心を持ち、各分野で活躍している個人・団体が技術交流を図るシルクサミット2022in鶴岡が10日、鶴岡市覚岸寺の市先端研究産業支援センターで開かれた。「サムライゆかりのシルク?ここから先を紡ぎだす?」をテーマに、講演や活動事例報告などを通して情報や意見の交換を行った。

 同サミットは農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構、茨城県つくば市)など主催。蚕糸技術の普及と継承、社会ニーズに根ざした蚕やシルクの用途拡大と関連産業の発展、新たなシルク産業の形成・発展などを目的に、全国のシルク産地持ち回りで開催されている。今回の開催地・鶴岡では実行委員会(会長・清野力鶴岡織物工業協同組合理事長)を組織した。

 全国各地の企業や団体、研究者など100人余りが出席。初めに松ケ岡開墾場(鶴岡市羽黒町松ケ岡)副理事長の山田陽介さんが「士族の開墾?松ケ岡、絹の歴史のはじまり?」と題し講演。

 山田さんは幕末の戊辰戦争で幕府方についた庄内藩が降伏開城後、西郷南洲(隆盛)翁の寛大な処置を受けた逸話を紹介するとともに「庄内藩老中の菅実秀から原野開墾の相談を受けた西郷は大いに賛同、激励したという。1872(明治5)年8月、藩士約3000人が311ヘクタールを58日間で開墾。翌年は200ヘクタールを開墾し桑苗を植栽したほか間作として茶の種をまいた。75?77年にかけて10棟の蚕室を建設し、養蚕や製糸、真綿製造を開始した」と解説した。続いて鶴岡シルク(鶴岡市羽黒町松ケ岡)の大和匡輔社長が「過去を学び未来に繋ぐ?kibisoのブランディングによるシルクの可能性?」と題し、2007年に立ち上げたブランド『kibiso』について「蚕が繭を作る最初に出すのが『きびそ』。太さがまちまちでゴワゴワしており、織物に適さないとされていたが、抗アレルギーや抗酸化作用を持つなど人の肌に優しい素材」と説明。さらに「絹は4000年続いてきた人にとって一番優しい素材。それを子どもたちにつなぎ、新たな可能性を研究してもらいたい。織物に例えるなら縦糸は歴史、横糸はその時代のものづくり。どちらが欠けても織物はできない。歴史や伝統を守るだけでなく、新たな横糸を入れることがイノベーション創出につながる」と呼び掛けた。

 その後の活動事例報告では、鶴岡市木野俣地区で養蚕業の再興に取り組む福栄養蚕振興会について、指導員を務める菅原久継さんがシルクパウダーや桑パウダーを入れた手打ちうどんなどを、地元住民で立ち上げた農家レストランで提供する地域振興の取り組みを語った。

講演や活動事例報告などを通し、蚕やシルクに関する情報や意見を交換した
講演や活動事例報告などを通し、蚕やシルクに関する情報や意見を交換した



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

  ■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

ニッポー広場メニュー
お口の健康そこが知りたい
気になるお口の健康について、歯科医の先生方が分かりやすく解説します
鶴岡・致道博物館 記念特別展 徳川四天王筆頭 酒井忠次
酒井家庄内入部400年を記念し、徳川家康の重臣として活躍した酒井家初代・忠次公の逸話を交え事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第2部 中興の祖 酒井忠徳と庄内藩校致道館
酒井家庄内入部400年を記念し、庄内藩中興の祖と称された酒井家9代・忠徳公の業績と生涯をたどる。
致道博物館 記念特別展 第3部 民衆のチカラ 三方領知替え阻止運動
江戸幕府が3大名に命じた転封令。幕命撤回に至る、庄内全域で巻き起こった阻止運動をたどる。
致道博物館 記念特別展 第4部 藩祖 酒井 忠勝
酒井家3代で初代藩主として、庄内と酒井家400年の基盤を整えた忠勝公の事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第5部 「酒井家の明治維新 戊辰戦争と松ケ岡開墾」
幕末~明治・大正の激動期の庄内藩と明治維新後も鶴岡に住み続けた酒井家の事績をたどる。
酒井家庄内入部400年
酒井家が藩主として庄内に入部し400年を迎えます。東北公益文科大学の門松秀樹さんがその歴史を紹介します。
続教育の本質
教育現場に身を置く筆者による提言の続編です。
教育の本質
子どもたちを取り巻く環境は日々変化しています。長らく教育現場に身を置く筆者が教育をテーマに提言しています。
柏戸の真実
鶴岡市櫛引地域出身の大相撲の元横綱・柏戸の土俵人生に迫ります。本人の歩み、努力を温かく見守った家族・親族や関係者の視点も多く交えて振り返ります。
藤沢周平の魅力 海坂かわら版
藤沢周平作品の魅力を研究者などの視点から紹介しています
郷土の先人・先覚
世界あるいは全国で活躍し、各分野で礎を築いた庄内出身の先人・先覚たちを紹介しています
美食同元
旬の食べ物を使った、おいしくて簡単、栄養満点の食事のポイントを学んでいきましょう
庄内海の幸山の幸
庄内の「うまいもの」を関係者のお話などを交えながら解説しています

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field