2022年(令和4年) 12月17日(土)付紙面より
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県内全域の河川で淡水魚の生息調査をしているNPO法人「鶴岡淡水魚 夢童(ゆめわらべ)の会」の岡部夏雄代表理事(80)=鶴岡市砂田町=が、環境省のレッドリストに載っている赤川の希少な魚などを紹介した「昭和・平成・令和 赤川写真集」を出版した。
岡部さんは赤川漁業協同組合員としてサクラマスやアユ、カジカなどを捕ってきた。1992年から県の魚に制定されたサクラマスの捕獲調査を行い、94年には藤島地域で水路工事に伴うヤリタナゴの保護活動に参加した。
写真集はA4判107ページ。赤川河口から大鳥川、梵字川との合流付近まで約32キロをたどる風景写真や「ウケクチウグイ」「ホトケドジョウ」「スミウキゴリ」といった、今では希少となった魚も紹介している。このほか内川、大山川、青龍寺川などに住む魚もまとめた。
中でも注目されるのがニホンウナギ。透き通った体でシラスウナギともいわれ昼は石垣や穴の中に潜み夜になると動き出す生態についても解説している。現在赤川では15年以上目撃されていない。
岡部さんは「子どものころからずっと慣れ親しんだ赤川に恩返しをするような気持ちで、活動の集大成となる写真集を出版した。これまで私と関わった人全員に見てほしい。赤川に興味のある人はもちろん、たくさんの人に手に取ってもらえればうれしい」と話していた。
「赤川写真集」は鶴岡市城南町のぶっくすプロほんの森で販売している。300冊限定で、価格は1冊1100円(税込み)。