2022年(令和4年) 4月7日(木)付紙面より
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酒田市平田地域の振興に携わる第三セクター・ひらた悠々の杜(社長・矢口明子副市長)は昨年来、清酒「上喜元」でおなじみの酒田酒造(同市、佐藤正一社長)、ANAあきんど庄内支店(前田誠支店長)と連携してオリジナル純米大吟醸「でゅ?」の醸造に取り組んでいる。大吟醸用酒造好適米「雪女神」を精米歩合30%まで磨き上げた逸品で、ANA客室乗務員(CA)が味やラベル・パッケージデザインなどを担当。6日からクラウドファンディング(CF)「ANA WonderFLY」で資金募集を開始した。
ひらた悠々の杜は、同市山楯の温泉施設「アイアイひらた」の運営を行っている他、地場産品の販売を広く手掛けている。新型コロナウイルス感染症の影響で観光・行楽客が減少、さらに飲食業の営業制限などもあって日本酒の出荷量が落ち込む中、酒田を知ってもらうとともに、酒田のおいしい日本酒を多くの人から味わってもらいたいという願いを込め昨春、酒田酒造とともにオリジナル日本酒の醸造を開始した。
同市に移住し庄内地域の情報発信に一役買っているANAのCA「庄内ブルーアンバサダー」5人が昨年暮れに加わり、コンセプトに「幅広い世代にさまざまな場面で飲んでもらえる日本酒」を掲げて協力。酒田酒造が醸す日本酒を飲み比べた上で味を決めた他、瓶の選定、ラベル・パッケージデザインなどを担当。蔵元に足を運んで櫂入れなどの作業にも従事した。
「雪女神」は、佐藤社長が自らの圃(ほ)場で栽培したものを使用。精米歩合30%は昨年の庄内空港開港・ANA就航30周年にちなんでいる。すっきりした辛口ながら、豊潤な香りが口いっぱいに広がるのが大きな特長。アルコール度数は16度前後を見込む。名称は、5人が印象深い方言として挙げた「―でゅう」(―しているの意)に、雫を意味する英語の「DEW」を掛け合わせた。ラベルはワインを思わせるようなシックな色合いに「でゅ?」の文字、山居倉庫をモチーフにしたマークを添えている。
アイアイひらたで5日に開かれた発表会で、5人は「庄内の地酒は機内でも人気が高い。それぞれに個性がある」「のど越しがよく、豊潤な香りという注文に答えてくれた酒田酒造に感謝。この酒を通し庄内地域、酒田の魅力も発信したい」などと述べた。
720ミリリットル入り1000本限定。「酒の酒田『精米歩合30%の純米大吟醸』特別醸造プロジェクト」と銘打ったCFのゴールは250万円。寄付金に応じリターンとして▽1万円=「でゅ?」1本▽1万5000円=「でゅ?」1本と工房あららぎの陶器▽2万5000円=「でゅ?」1本と上喜元2本▽3万5000円=「でゅ?」3本▽100万円=「でゅ?」10本と「<舞娘(まいこ)茶屋 相馬樓」貸切宴席―の5つを用意している。ひらた悠々の杜観光マネージャーの佐藤良広さんは「極上の喜びの元となる酒。ANAのネットワークを生かし『酒の酒田』を全国、世界に向けて発信したい」と話した。
2022年(令和4年) 4月7日(木)付紙面より
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春の交通安全県民運動が6日から、県下一斉に始まった。15日までの期間中、各警察署や交通安全団体が啓発活動を展開する。運動の重点目標は▽子どもをはじめとする歩行者の安全確保▽歩行者保護や飲酒運転撲滅等の安全運転意識の向上▽自転車の交通ルール順守の徹底と安全確保―の3項目。庄内地域では初日の6日、鶴岡、酒田、庄内の3警察署管内で出発式が行われた。
このうち鶴岡地区では、鶴岡市の荘内神社で出発式を行い、関係者約100人が出席。鶴岡警察署の高山浩喜署長や各関係団体の代表者が玉串をささげ、交通安全を祈願した。皆川治鶴岡市長や阿部誠三川町長などのあいさつに続き、高山署長が「新入学の児童や初心者ドライバーの姿が多くなるこの時期、悲惨な事故を1件でも減らせるよう取り組んでいきたい」と述べた。
式終了後、白バイやパトカー、青パトが関係者に見送られながら市街地へ出発し、運動開始を周知して回った。
一方、庄内地区では町文化創造館響ホールで出発式を行い、関係者約30人が出席。富樫透町長や菊池忠雄庄内地区交通安全協会長らのあいさつに続いて、吉田克志庄内署長が「春は新入学児童の通学、新入社員の通勤など人の動きが活発化し、事故の発生が懸念される。事故被害が減少するように協力してほしい」と述べた。
交通安全宣言では町老人クラブ連合会の齋藤弘一さん、町交通安全母の会の本間輝美子さんが「高齢者の関係する事故の減少に努める」「家庭から交通違反者や犠牲者を出さないように努める」とそれぞれ宣言。その後、白バイを先頭にパトカーなどが町内中心部と立川地区をパレード。安全運動の開始をPRした。