2023年(令和5年) 1月27日(金)付紙面より
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阿部誠(あべせい)さん
「無投票だからこそ、しっかりとした町政運営を行う。多選に対する批判もあると思うが『もっと頑張れ』という町民の声だと受け止めている」―。24日に公示された任期満了に伴う三川町長選で無投票当選を果たした。
町議会議員を経て2003年の町長選に立候補し初当選した。06年の市町村合併の是非では民意を受けて自立の道を選択。出直し町長選を制した。選挙戦、無投票を合わせて当選は7回目。通算して21年目の船出となった。
「町民の目線に立った政策を進める。これは町長になってから私が貫き通している信念。変わることはない」。押切新田の選挙事務所で支持者を前に誓った。
新型コロナウイルスの影響を受けた事業所や店舗への支援策、気候変動に対応した災害に強い町づくり、若者の定着、子育て支援、農業振興に企業誘致…。進めなければならない課題は多い。
その中でも最重要課題の一つといえるのが人口減少にどう立ち向かうのか。少子高齢化が顕著となり、若い夫婦が安心して子どもを育てる環境づくりが求められている。
町長に就任して以降、幼稚園の基本保育料(1カ月5000円・年間6万円)を無料にしたほか中学校を卒業するまで医療費の完全無料化を実施。子育てしやすい環境を整えてきた。
「役場近くの桜木地区に宅地を造成する。広さは約1・4ヘクタール。37区画を分譲し、定住化を図りたい。ハードとソフトの両面を充実させ、若い世代が『三川に住みたい』と思えるようにすることが必要」と話す。
町民の雇用を含めた産業振興にも力を入れる。三川バイパスの近くに整備した「みかわ産業団地」には薬品、自動車、金属加工、農業関係などの企業を誘致した。産業団地をさらに7・4ヘクタール拡張する計画を立てる。
選挙事務所では中学生の孫から当選祝いの花束が贈られ、笑みがこぼれた。「気力と体力が続く限り精いっぱい町づくりに取り組む。これからもご指導とご鞭撻(べんたつ)をよろしくお願いしたい」―。集まった支持者から信頼と期待が込められた拍手が上がった。
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好きな言葉は「誠心誠意」。趣味はゴルフ。公務で時間が取れないことが多いが「私も古希。体力づくりを兼ねて行けるときは行きたいですね」。妻と2人暮らし。三川町押切新田。70歳。