2024年11月29日 金曜日

文字サイズ変更



  • プリント用表示
  • 通常画面表示

荘内日報ニュース


日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ
  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る

2023年(令和5年) 2月23日(木)付紙面より

ツイート

河川水位観測や鳥獣被害対策 デジタル人材育成支援事業 鶴岡高専5年生取り組み報告

 鶴岡市が進める「デジタル人材育成支援事業」の報告会が21日、鶴岡市役所別棟2号館で開かれた。支援を受けた鶴岡工業高等専門学校の5年生が、中小河川の水位を観測するシステムや、鳥獣による農作物被害の対策についてそれぞれの取り組みを報告した。

 同事業は、デジタルを活用した地域課題を解決する仕組み開発を教材とし、学生の技術力向上を図るため本年度新たに始まった。学生の地元定着やその技術に基づいて事業を創出する企業を地域が支援するもの。

 鶴岡高専は今回、機械コースの矢吹益久准教授と情報コースのザビル・サラウッディン・ムハマド・サリム教授の2研究室から5年生グループが市の補助金による助成を受け、それぞれテーマを決めて研究調査に取り組んできた。

 報告会には皆川治市長など市関係者と鶴岡高専の学生など合わせて約20人が出席。矢吹研究室の学生5人が「中小河川用水位モニタリングシステムの開発」、ザビル研究室の学生3人が「IoTと機械学習を用いた畑への動物の侵入を検知する技術の開発」と題し、それぞれ報告した。

 矢吹研究室の5人は2020年7月に発生した県内の豪雨災害で、鶴岡市内でも70超の住家、非住家が浸水被害にあったことを挙げ、「地域住民のため河川の水位状況をリアルタイムで把握することが求められる」と提言。

 国土交通省が設置している水位計は1台約100万円とコストがかかることを踏まえ、低コストの水位モニタリングシステムを開発し、鶴岡市内の青龍寺川に設置して測定結果を基に、豪雨災害の際に活用できる河川氾濫予測モデルの作成に挑戦した。

 結果として「システムは1台約7万2000円で開発し、川沿いの3地点へ設置した。昨年11月以降の測定で、降水量と水位の変化は性質的に一致することや、上流と下流で水位のピークに時差があった。予測モデルの作成により氾濫の可能性が高い下流への避難勧告に役立つのでは」と説明した。

 一方、ザビル研究室の3人は人工知能を搭載したカメラが動く物体を撮影し、動物を検知した場合は畑などの利用者へ通知するシステムの概要を解説。「人工知能が学習を重ね、写真からサルを発見することが可能になった。今後は撮影端末を農地の近くに設置し、野生動物の出現を通知するシステムの構築を目指す」と述べた。

鶴岡高専の学生がデジタルを活用した調査研究のまとめを報告した
鶴岡高専の学生がデジタルを活用した調査研究のまとめを報告した



日付の新しい記事へページを移動する日付の古い記事へ

記事の検索

■ 発行月による検索
年  月 

※年・月を指定し移動ボタンをクリックしてください。
※2005年4月分より検索可能です。

  ■ キーワードによる検索
   

※お探しのキーワードを入力し「検索」ボタンをクリックしてください。
※複数のキーワードを指定する場合は半角スペースを空けてください。

  • ニューストップ
  • 最新記事
  • 戻る
ページの先頭へ

ニッポー広場メニュー
お口の健康そこが知りたい
気になるお口の健康について、歯科医の先生方が分かりやすく解説します
鶴岡・致道博物館 記念特別展 徳川四天王筆頭 酒井忠次
酒井家庄内入部400年を記念し、徳川家康の重臣として活躍した酒井家初代・忠次公の逸話を交え事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第2部 中興の祖 酒井忠徳と庄内藩校致道館
酒井家庄内入部400年を記念し、庄内藩中興の祖と称された酒井家9代・忠徳公の業績と生涯をたどる。
致道博物館 記念特別展 第3部 民衆のチカラ 三方領知替え阻止運動
江戸幕府が3大名に命じた転封令。幕命撤回に至る、庄内全域で巻き起こった阻止運動をたどる。
致道博物館 記念特別展 第4部 藩祖 酒井 忠勝
酒井家3代で初代藩主として、庄内と酒井家400年の基盤を整えた忠勝公の事績をたどる。
致道博物館 記念特別展 第5部 「酒井家の明治維新 戊辰戦争と松ケ岡開墾」
幕末~明治・大正の激動期の庄内藩と明治維新後も鶴岡に住み続けた酒井家の事績をたどる。
酒井家庄内入部400年
酒井家が藩主として庄内に入部し400年を迎えます。東北公益文科大学の門松秀樹さんがその歴史を紹介します。
続教育の本質
教育現場に身を置く筆者による提言の続編です。
教育の本質
子どもたちを取り巻く環境は日々変化しています。長らく教育現場に身を置く筆者が教育をテーマに提言しています。
柏戸の真実
鶴岡市櫛引地域出身の大相撲の元横綱・柏戸の土俵人生に迫ります。本人の歩み、努力を温かく見守った家族・親族や関係者の視点も多く交えて振り返ります。
藤沢周平の魅力 海坂かわら版
藤沢周平作品の魅力を研究者などの視点から紹介しています
郷土の先人・先覚
世界あるいは全国で活躍し、各分野で礎を築いた庄内出身の先人・先覚たちを紹介しています
美食同元
旬の食べ物を使った、おいしくて簡単、栄養満点の食事のポイントを学んでいきましょう
庄内海の幸山の幸
庄内の「うまいもの」を関係者のお話などを交えながら解説しています

株式会社 荘内日報社   本社:〒997-0035 山形県鶴岡市馬場町8-29  (私書箱専用〒997-8691) TEL 0235-22-1480
System construction by S-Field