2023年(令和5年) 2月25日(土)付紙面より
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鶴岡工業高等専門学校(森政之校長)で23日、中学生を対象とした「ものづくり体験講座」が開かれた。庄内や内陸から集まった中学生たちが機械、化学、情報、電気の各分野に分かれて金属探知機やオリジナルグラスなどを作り、ものづくりの楽しさを学んだ。
体験講座は、中学生からものづくりの楽しさや奥深さを体験してもらい、科学分野の実験や研究に取り組む鶴岡高専について興味を持ってもらおうと2009年から毎年開催している。コロナ禍の影響で2020年、21年と開催を見送ったが昨年から再開した。
今回は地元庄内のほか村山、最上の各地域から中学1、2年生22人が参加。付き添いの保護者と共にガイダンスを受けた後、4講座に分かれ実験室や演習室でものづくりを体験した。
このうち化学系講座「ストームグラスを作ってみよう!」には10人が参加。担当教員から「ストームグラスとは、200?300年前の欧州で船乗りたちが利用していた天候を予測するための道具。『暑い日は沈殿物が少ない』『寒い日は溶液が濁る』など、グラス内の結晶の状況から近未来の天気を予測する」と説明を受けた。
中学生たちは正確に量った2・8グラム分の硝酸カリウムと塩化アンモニウムをビーカーに溶かし、無水エタノールを入れたグラスへ溶液を混ぜるなど、教員たちのアドバイスを受けながら一連の工程を進めた。
続いて、完成したストームグラスをお湯に浸した場合と、氷に浸した場合の沈殿物の違いを比べる実験に取り組んだ。お湯に入れると沈殿物が溶けてグラス内が透明となり、氷で冷やすとグラスの底から次第に白い沈殿物が増えていく様子を確認した。
鶴岡一中1年の若木花音さん(13)は「結晶にどんな変化が現れるのか興味を持ち、この講座に参加した。今日学んだことを今後の進路選びの参考にしたい」と話していた。