2023年(令和5年) 3月23日(木)付紙面より
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「食」「農業」「まちづくり」をキーワードに地域の可能性を探る山形大学アグリフードシステム先端研究センター(山形大学農学部内)の講演会「スマートテロワールシティ・カンファレンス」が20日、鶴岡市の東京第一ホテル鶴岡で行われた。地元企業の代表者や教育機関、大学関係者ら合わせて約60人が参加。中央官庁に入庁し地方創生について取り組む穂積融さん(東京)と鶴岡市藤島地域出身で広告会社を立ち上げた牧貴洋さん(同)の講演を聴いた。
「街づくりの意味・方法・未来―国家の視点から―」を演題にした穂積さんは和歌山県田辺市の「たなべ未来創造塾」を紹介しながら「沖縄に次いで田辺市は人口減少を食い止める唯一の自治体だと思う。その理由は楽しく面白いまちづくりを進めているから。高校生からはそんな姿と活動が『かっこいい』と評価されている。まちづくりは森づくりと同じ50年スパン。ここ鶴岡は、広がりと多様性を持つ食と農のスマートテロワールに取り組み、若い人たちから『働くのであれば鶴岡だよな』と言われるよう頑張ってほしい」とエールを送った。
スマートテロワールシティ構想と「食」を切り口としたまちづくりをテーマにした牧さんは「具体的な取り組みとして庄内の在来野菜で『べジスイーツ』を作ってみたら面白いと思う。新しい市場と需要を開拓することが必要。私自身、山形大学連携研究員を務めているが、山大農学部には面白い研究をしている先生がたくさんいる。その成果を発信し社会実装することも大切なまちづくりにつながる」と提案した。