2023年(令和5年) 4月18日(火)付紙面より
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鶴岡市鼠ケ関の弁天島にある厳島神社の例祭行事「神輿(みこし)流し」が15日、4年ぶりに同地区で行われた。神輿を担いだ地元の若者たちが地区内を練り歩いた後、鼠ケ関川に入り水を掛け合い、今年の豊漁を祈願した。
神輿流しは約250年の歴史を持ち、鼠ケ関川の河口で漁師の網に掛かった弁天像を手厚く祭ったところ、豊漁が続いたという伝説に由来する。
この日は「精進徒(しょうじんと)」と呼ばれる白装束に身を包んだ地元の男衆約30人が神輿を担ぎ厳島神社を出発。獅子舞や天狗舞を奉納しながら約5時間かけて地区内を練り歩いた。通りかかる家々でお神酒が振る舞われ「セレロレ、ローレ」と独特の掛け声を上げながら鼠ケ関川を目指した。
川岸に到着すると神輿とともに身を切るような冷たい川へ入り、神輿や互いの体に水を掛けながら河口までの約100メートルを3往復。川沿いには多くの見物客やアマチュアカメラマンが集まり、精進徒の豪快さに歓声を上げていた。
地元の富樫朱美さん(61)は「少子化と騒がれる中、この神輿を担ぎたくて鼠ケ関に残る若者もいる。豊漁を願うとともに、昔のように子どもでにぎわう鼠ケ関になって伝統を引き継いでもらいたい」と話していた。